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306発を行う。具体的には、人工脳を開発する過程で得られた脳内情報処理モデルを活用し、感覚情報、運動情報や認知情報等に基づいた人間機能の再建・拡張の支援等や脳機能のバイオマーカの発見につながる研究開発を実施する。また、脳情報を用いて、人間が製品やサービスに対して抱く印象・感覚を客観的に評価することが可能となる次世代のICT等を確立させる。ウ 脳情報通信技術の社会的受容性向上と産学官連携研究活動の推進Society 5.0の発展のために、脳情報通信が次世代のICTとして技術が健全に活用されるよう社会的受容性を高めるような研究・環境整備が必要である。また、大学等の学術機関だけでなく産業界との連携を強化することで脳情報通信技術を中心とした産学官融合研究の積極的な実施を目指す。これらの目的のために、脳情報に関する研究開発で得られた技術を、多方面の研究者・企業等と連携して、共同研究や研究員の受入等による知的・人材交流を通した人材の育成や企業への技術移転に努め、科学技術・社会的受容性の両面から成熟させながら、社会に普及するための研究開発拠点を形成する。また、この拠点においてオープンイノベーションを推進するため、収集した研究データの安全な利活用を実現するためのデータ収集管理システム等の研究開発を行う。これらの活動を通じて、人々が安心して豊かな暮らしを享受できる社会の構築に貢献できる脳情報通信技術を育てていく。1-6.評価軸等1-1.から1-5.までの各分野の研究開発等に係る評価に当たっては、研究開発課題の内容・段階等に応じて、中長期目標に定められているいずれかの評価軸により評価を実施する。また、評価に際しては、評価軸に関連する指標に従って取組や成果を示す。2.分野横断的な研究開発その他の業務ICTが経済活動のインフラとなっており、ICT分野における国際競争力の確保は豊かで安全・安心な国民生活の実現のみならず、社会経済活動の高度化からも非常に重要である。特に、2030年以降の社会システムの基盤となるBeyond 5G、データ利活用・脳情報通信技術等のAI、量子情報通信、サイバーセキュリティの4領域は横断的かつ戦略的に取り組む必要がある。このため、研究開発と社会実装・展開を欠くことのない両輪として強力に推進し、産学官一体でオープンイノベーションを創発するための中核・拠点形成等が必要になっている。一方、SDGsやニューノーマル等の新たな社会課題の解決に向けて、機構の研究開発成果の横断的展開のみならず、機構が有する施設・設備を効果的に活用したオープンイノベーション・コラボレーションを軸とするスピーディかつ横断的な取組の推進が重要となっている。また、機構の目的である研究開発成果の最大化という観点では、産学官連携の強化に加え、研究開発成果を基盤とした知的財産・標準化戦略を一体的に推進し国内のみならず国外への技術展開を推進することが必要である。このため、1.の「重点研究開発分野の研究開発等」の業務と横断的に連携し、研究開発成果の普及や社会実装を目指しながら以下の取組を一体的に推進する。また、オープンイノベーションで組織を超えて情報共有する際には知的財産等の情報保全にも配慮する。さらに、機構の研究開発により創出される直接的な成果の創出に加えて、我が国のICT産業の競争力確保も念頭においた戦略的・総合的な取組も推進する。なお、評価に際しては、研究開発及び業務の内容・段階等に応じて、中長期目標に定められている評価軸により評価を実施する。また、評価軸に関連する指標に従って取組や成果を示す。2-1.Beyond 5G の推進我が国として目指すべきBeyond 5G を実現するには、その優れた機能の中核となる先端的な要素技術の研究開発を強力に推進する必要があるため【重要度:高】とする。Beyond 5Gの2030年頃の実現の鍵を握る要素技術等(超高速・大容量、超低遅延、超多数同時接続、自律性、拡張性、超安全・信頼性、超低消費電力等)の早期確立に資する成果の創出を目指し、本中長期目標期間を集中取組期間(先行的取組フェーズ)として、機構自ら先端的な研究開発を実施するとともに、民間企業等の研究開発を促進するため、総務省が策定する研究開発方針に基づき、以下の公募型研究開発プログラムを実施する。

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