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3082-3.戦略的・機動的な研究開発ハブの形成によるオープンイノベーションの創出Society 5.0の実現に向けてBeyond 5G等の新たな技術の進展が想定されることを踏まえ、Beyond 5G時代の社会的・技術的ニーズを検証可能な分散広域実証環境及びリアルタイムエミュレーション環境並びにデータ駆動型社会の実現に寄与するデータ利活用に向けた実証環境を機構における既存のテストベッド上に新たに構築するとともに、光・量子通信技術等の世界最先端技術の実証環境を支え、我が国のICT分野の研究開発・技術実証・社会実装・国際連携に貢献する。また、関連するフォーラムの活動、国が実施する研究開発等の機会を通じて、当機構、国内外の研究機関、通信事業者、ベンダ、ベンチャー等のテストベッド利用者の研究開発能力をテストベッドに結集させることにより新たな価値創造及び社会課題の解決に寄与するとともに、テストベッド利用、運用及び改善を通じてテストベッドの実証環境を循環進化させる等、国際的に魅力ある研究開発ハブの形成に向けた取組を推進する。サービス創成基盤として多様化するユーザの利用シーンに応じた実証基盤をすばやく構築するテストベッドシステムの研究開発運用を行う。具体的には様々なデータを組み合わせながらエッジとクラウドで連携処理するデータ連携処理基盤技術及び、Beyond 5Gに資するソフトウェア化されたネットワーク及びエッジクラウド連携基盤技術を、テストベッド上に実装し利用者に提供しつつフィードバックを受けて改良することを繰り返しながら形成する。シミュレーション等で模倣したBeyond 5G時代を想定した事象とエミュレーション環境内に実現したICTシステムとを連携させ、それぞれの相互影響を検証し、サイバー空間とフィジカル空間の融合を目指した研究開発を推進する。さらに、実デバイスやソフトウェアと接続し、現実世界の振る舞いを組み合わせたリアルタイムエミュレーション環境を構築し利用者に提供する。機構が専門とする情報通信分野ではない異分野・異業種の複数の企業等と連携して、Beyond 5G社会を構成する超高周波を用いるIoT無線技術、AI技術、ロボットを含む自律型モビリティ技術を融合的に利活用することで構築可能となる構内や地域のデータ収集配信基盤技術の実証的な研究開発を推進し、社会的受容性の高い様々な社会課題の解決に資するICTサービスのエコシステムを形成することを目標とした研究開発と社会実証実験を実施し、得られた知見を機構のテストベッド及び社会にフィードバックする。2-4.知的財産の積極的な取得と活用機構の知的財産ポリシーを踏まえ、優れた研究開発成果を知的財産として戦略的かつ積極的に取得・維持するとともに、機構の知的財産を広く社会に還元し、新たなビジネスやサービスの創造、イノベーションの創出につなげるため、技術の特性等も考慮し、迅速かつ柔軟な視点で知的財産の活用促進に取り組む。また、成果展開や社会実装に貢献するための人材の獲得・育成に努める。国の政策や技術動向等を適切に踏まえ、重点的に推進すべき課題については、その推進体制を整備し、特に研究開発や標準化活動と連携して知的財産の取得・維持・活用を図る。加えて、我が国の国際競争力向上に資するため、国際連携や成果の国際展開に必要な外国における知的財産の取得についても適切に実施する。外部専門家等人材を確保し、機構内にBeyond 5Gの知的財産・標準化を検討する体制を整備し、Beyond 5Gに関する標準必須特許といった知的財産の取得に戦略的に取り組む。また、機構内外とのノウハウの共有、知的財産の取得支援等に集中的に取り組み、機構内の技術シーズと知的財産・標準化に関する知識・ノウハウを結集する。2-5.戦略的な標準化活動の推進機構の技術シーズについて、総務省、産学官の関係者、国内外の標準化機関等との連携体制を構築し、標準化活動を積極的に推進する。機構の研究開発成果の最大化を目指すため、製品・サービスの普及やグローバル展開によるデファクト標準を含め、我が国が最終的に目指すものを意識し、その成果を戦略的にITU等の国際標準化機関や各種フォーラムへ寄与文書として積極的に提案する。このとき、機構内における産学官連携や、標準化関連団体と密接に連携して取り組むほか、国内外の専門家の活用も行う。機構はICT分野の専門的な知見を有しており、中立的な立場であるため、標準化に関する各種委員会への委員の派遣等を積極的に行い、国内標準の策定や国際標準化会議に向けた我が国の対処方針検討に貢献する。また、標準化に関するフォーラム活動、国際会議等の開催を支援することにより、研究開発成果の標準への反映や国際的な周知広報を推進し、我が国の国際競争力の強化を目指す。戦略的かつ重点的な標準化活動を推進するために、総務省とも連携しつつ、機構の標準化に係るアクションプランを明確化し実施する。

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