HTML5 Webook
337/372

32911.2 国立研究開発法人情報通信研究機構における令和3年度の業務運営に関する計画(令和3年度計画)11中長期計画、年度計画11.2国立研究開発法人情報通信研究機構に おける令和3年度の業務運営に関する計画(令和3年度計画) 序 文情報通信技術(ICT)はすべての社会経済活動の基盤であり、経済成長や地域・社会的課題の解決を加速させるデジタルトランスフォーメーションを実践するためのプラットフォームとしての役割が、今後ますます重要になっていく。国立研究開発法人情報通信研究機構(以下、「機構」という。)は、情報通信分野を専門とする唯一の公的研究機関として、中長期的視点に立ち、ICTの基礎から応用までを見通す総合的な視点による研究開発を実践的に推進し、その成果の効果的な社会実装を目指していくことにより、我が国の競争力強化と知的財産立国としての発展に貢献するとともに、国際社会の持続的発展を目指すSDGsの達成にも貢献していく。第5期中長期目標期間においては、研究開発を5つの分野(①電磁波先進技術分野、②革新的ネットワーク分野、③サイバーセキュリティ分野、④ユニバーサルコミュニケーション分野、⑤フロンティアサイエンス分野)で構成して先端技術の研究開発を推進する。また、産学官連携及び地域連携の強化を重視した研究活動基盤の構築を進め、特にBeyond 5Gの推進にあたっては、国内の大学、研究機関や民間のみならず、海外機関との研究連携もあわせて推進する。さらに、オープンイノベーションを加速するために、戦略的な研究ハブの構築とその利活用を進めるとともに、我が国の今後の発展の一つの起点となっていく2025年の大阪万国博覧会の機会をとらえた成果展開を進める等、機構の能力と与えられる機会を十分に活かした研究開発活動を推進する。中長期目標期間の初年度である令和3年度においては、前中長期目標期間までの研究開発成果や現在のICTを取り巻く諸状況を踏まえ、大学や民間企業では実施できないような長期間にわたり推進すべき基礎的・基盤的な研究開発を開始する。Ⅰ 研究開発成果の最大化その他の業務の質の向上に関する目標を達成するためとるべき措置1.重点研究開発分野の研究開発等1-1.電磁波先進技術分野⑴ リモートセンシング技術ア ローカルセンシング技術・世界最高レベルの画質(高分解能(15cm)、高感度化、耐偽像性能の向上)の高精細航空機搭載合成開口レーダー(Pi-SAR X3)について、性能評価のための観測実験を実施し、実運用に向けた評価・調整を行うとともに、観測・情報抽出技術の更なる高度化を推進する。さらに、ドローン搭載適合型映像レーダー(DAIR: Drone-borne Adaptive Imaging Radar)の試作機の開発と性能確認試験を実施する。・マルチパラメータ・差分吸収ライダー(MP-DIAL:Multi-Parameter Differential Absorption Lidar)を構成する各コンポーネントの開発を行い、風・水蒸気が計測可能なモバイル観測システムを整備すると共に観測性能実証試験を実施する。・マルチパラメータ・フェーズドアレイ気象レーダー(MP-PAWR:Multi-Parameter Phased Array Weather Radar)を活用したゲリラ豪雨等の早期捕捉や発達メカニズムの解明に関する研究、機械学習を利用した降雨強度及び予測の精度向上に関する研究を推進する。また、東京オリンピック・パラリンピック競技大会や自治体との実証実験を他機関との密接な連携により実施する。・地上デジタル放送波を利用した水蒸気量観測装置について、日本の地上デジタル放送方式(ISDB-T)以外の方式に対応する装置の開発を行う。また、他機関との連携により九州北部の観測網を整備し、豪雨予測精度向上に関する研究を実施する。・次世代の気象レーダーシステムの基本設計に向けた検討を実施する。また、ウィンドプロファイラの測定データ品質向上を目的とした信号処理手法の高度化を実施する。・センシングデータの利活用研究開発として、AI技術を用いた情報抽出技術の開発を行う。

元のページ  ../index.html#337

このブックを見る