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330イ グローバルセンシング技術・雲エアロゾル放射ミッション(EarthCARE:Earth Clouds, Aerosols and Radiation Explorer)衛星の打ち上げに備えて、同衛星に搭載される雲プロファイリングレーダー(CPR:Cloud Profiling Radar)の地上処理アルゴリズムの改良を行う。また、打ち上げ後の地上検証に備えて、地上雲レーダーの長期観測を実施し、処理結果を処理アルゴリズムの改良に利用する。さらに、地上校正に用いる能動型レーダー校正器の精度向上のための改修を行う。・全球降水観測計画(GPM:Global Precipitation Measurement)衛星に搭載された二周波降水レーダー(DPR:Dual-frequency Precipitation Radar)について、観測データから降水に関する物理量を推定する処理アルゴリズムについて改良・検証を行う。また、将来の衛星搭載センサの開発に向けた検討を実施する。⑵ 宇宙環境計測技術ユーザニーズに即した宇宙天気予報の精度向上のため、観測手法の拡大、数値予報及びAIを用いた経験モデルの開発、及びユーザフレンドリーな情報提供手法を検討する。また、3−2.「機構法第14条第1項第4号の業務」と連動した宇宙天気予報を安定的に遂行するために必要となる技術を開発する。ア 宇宙環境の現況把握及び予測に関する研究開発・国内及び国際協力の基に地上からの宇宙天気監視網の充実を図る。東南アジア諸国に対し電離圏観測に関する技術供与を行い観測網の充実を進める。衛星による宇宙環境計測センサの開発及び利用の検討を進める。大気・電離圏モデルを用いたデータ同化による電離圏擾乱の予測モデルの実用化に向けた開発を開始する。太陽風数値モデルを用いた太陽嵐到達時刻予測精度向上スキームの開発を開始する。磁気圏・電離圏モデルの結合の検討を進める。イ 宇宙天気予報システムの研究開発・国内太陽電波及び電離圏定常観測を滞りなく遂行するための基盤を整備する。宇宙天気予報業務を安定的に遂行するとともに、国内及び国際的に情報を発信するシステムを整備する。宇宙天気ユーザ協議会等により利用者との交流を進め、ユーザニーズの調査を進める。予報精度評価を実施するとともに、関連する標準化に貢献する。⑶ 電磁環境技術ア 先端EMC計測技術・複数の広帯域電磁雑音源から発生する広帯域電磁雑音の特性評価方法を検討し、広帯域電磁雑音源数の増加に伴う広帯域電磁雑音特性の変動傾向を明らかにする。さらに、複数広帯域電磁雑音源と複数無線設備を考慮した電磁雑音許容値設定のための電磁干渉確率モデルを検討する。また、近接電磁耐性評価用の新たなアンテナを設計、試作し、性能を評価する。・5Gで用いられる28GHz帯を含む40GHzまでの電磁雑音測定に関し、測定場の評価方法及びアンテナ較正方法について検討する。また、5G/IoT環境の電磁的両立性を高精度に把握するために必要な広帯域パルス電磁波の高精度評価技術を確立するために、広帯域アンテナの高精度較正技術について検討する。さらに、ミリ波帯電磁波制御技術を確立するために、電波散乱壁を試作し、伝搬特性の改善効果を実証する。イ 生体EMC技術・新たな無線システム等の電波防護指針への適合性を簡便かつ高い信頼性で評価する技術を開発するため、普及が進む5G携帯無線端末における電波防護指針への適合性評価について、国際標準化が進められている手法の妥当性を確認し、改良について検討する。また、ミリ波帯における人体防護国際ガイドラインの新しい指標とされた吸収電力密度の評価方法について検討する。さらに、近接センサ等の比吸収率(SAR:Specific Absorption Rate)低減技術を搭載した無線通信端末における電波防護指針への適合性評価手法の妥当性を確認し、改良について検討する。ワイヤレス電力伝送システム等の多様化する無線システムにおける電波防護指針への適合性評価方法も検討する。 ・テラヘルツ帯までの電波に対するばく露評価技術として、0.1THzを超える周波数における電力密度分布測定技術を開発する。また、 0.1THzを超える周波数に適用するために数値人体モデルを改良し、生体組織の電気的特性を拡充し、数値シミュレーション手法について検討する。・電波ばく露レベルに関する詳細かつ大規模なデータを取得・蓄積し、5G/IoT等の電波ばく露に関するリスクコミュニケーション等に活用するために、東京を中心とする100km圏内において、5G電波を含むばく露レベルを車載測定するとともに、テレビ・ラジオ放送送信所周辺の電波強度を詳細に測定する。以上の研究開発の実施においては、大学・研究機関等との研究ネットワーク構築や共同研究の実施等により、電磁

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