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26■概要令和3年4月の組織改正において電磁波標準研究センターが発足した。電磁環境研究室とその一部である較正業務グループ及び時空標準研究室とその一部である日本標準時グループ、から構成される研究センターである。当研究センターは、電磁波に対する計測基準の構築に貢献するという目標の下、「国家標準・国際標準を支える標準機関」と「最先端計測技術を研究開発するラボ」という二つの対外的役割を担っている。令和3年度の主な活動として、研究センター発足に伴い活動の方向性を整理した。また研究センター内外の連携活動を行った。■主な記事【研究センターの概要】令和3年4月の組織改正において、電磁波研究所の下に新たに3研究センターが発足した。その一つである電磁波標準研究センターは、電磁環境研究室とその下の標準較正グループ及び時空標準研究室とその下の日本標準時グループ、を統括する位置づけである(図1)。各研究室については従来から継続する組織であり、第5期中長期目標・計画の下、電磁環境研究室においては様々な機器・システムの電磁的な影響や安全性を評価する技術に関して、時空標準研究室では正確な周波数と時刻を作って配る技術に関して、それぞれ研究開発と機構法に基づく定常業務を行っている。各研究室内で定常業務を行ってきたチームについては、令和3年4月の組織改正において正式にグループとして組織化された。電磁環境研究室に属する標準較正グループでは、無線設備の機器の試験及び較正に関する業務(機構法第14条第1項第5号)を行う。また時空標準研究室に属する日本標準時グループでは、周波数標準値の設定、標準電波の発射及び標準時の通報に関する業務(機構法第14条第1項第3号)を行う。当研究センターは、科学技術や現代社会の基盤に不可欠な、電磁波に対する計測基準の構築に貢献することを目標とする。各研究室における技術的・学術的な活動領域は異なるが、対外的な役割において両研究室は共通して、「国家標準、国際標準を支える日本の標準機関」と「最先端計測技術の研究開発を行うラボ」という二つの顔を持つ。この二つの実行においては、注力ポイントやアプローチの仕方などまるで異なる場合も多いが、双方が同じ組織内に共存していることで、標準化においては最先端技術との乖かい離りを防ぎ研究においては実用化の視点を図1 電磁波標準研究センターの構成・役割•正確な周波数と時刻を定めて利活用する技術の研究・業務。•様々な機器・システムの電磁的な影響や安全性を評価する技術の研究・業務。標準較正グループ日本標準時グループ構成先端EMC生体EMC較正業務成果の社会展開・産業界との連携(NICT/EMC-net)通信EMCPJ較正計測PJ生体EMCPJモニタリングPJ標準較正グループ無線設備の機器の較正業務(機構法第14条第1項第5号)周波数標準・時刻生成技術B5G/6G時空間同期・時刻供給標準時業務日本標準時グループ周波数標準値設定・標準電波発射・標準時通報の業務(機構法第14条第1項第3号)新たな利用技術の開発原子時計チップWiWiクラスタ時系高精度比較・伝送光標準の測地利用THz周波数標準イオントラップ光標準周波数校正(協業)時空標準研究室電磁環境研究室SI秒・国際原子時に貢献アジア・太平洋地域での活動国家標準の発生および供給使いやすくする技術の開発標準機関として技術開発ラボとして超⾼精度計測技術の開発標準機関として技術開発ラボとして供給サービス標準時の高度化光標準の導入無線保護のための国際標準化・国内規制導入に貢献先端計測・較正技術の開発•電気電子機器と通信機器の電磁干渉評価技術•高分解能電磁環境計測・較正技術国際標準化委員会への参画(ITU-R, CCTF, APMP)国際標準化活動への参画(CISPR, IEC etc.)•電波の人体ばく露評価と適合性評価技術•電波ばく露レベルモニタリングデータの取得・蓄積・活用NICT主催の産学官フォーラム人体防護のための国際標準化・国内規制導入に貢献無線局制度維持のための較正業務を実施簡便かつ信頼性が⾼い評価技術の開発役割3.1.2電磁波標準研究センター研究センター長  花土 ゆう子

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