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336サイバーセキュリティに関する情報分析・人材育成等の産学官連携の中核的拠点形成を目的とした共通基盤設備の構築を進め、試験運用を開始する。具体的には、大規模並列型サイバー攻撃分析環境、多種多様なサイバーセキュリティ関連情報の大規模集約データベース、セキュリティ機器テスト環境等の構築と試験運用、人材育成パイロットコンテンツの開発を進める。また、外部機関との連携体制構築に向け、10~20機関程度の初期参画メンバーを集めた協議の場を設置し、産学官の関係者が円滑かつ自主的に参画できるような参画スキームの整備を進める。⑸ パスワード設定等に不備のあるIoT 機器の調査IoT機器のサイバーセキュリティ対策に貢献するため、国からの補助等を受けた場合には、その予算の範囲内で、サイバーセキュリティ戦略等の政府の方針を踏まえ、機構 法附則第8条第2項の規定に基づき、機構の有する技術的知見を活用して、パスワード設定等に不備のあるIoT機器の調査及び電気通信事業者への情報提供に関する業務を、総務省や関係機関と連携しつつ実施する。また、より広範かつ高度な調査を行うことができるよう、総務省と連携して特定アクセスを実施する対象プロトコルの拡充等を検討し、それに応じた調査の高度化を進める。1-4.ユニバーサルコミュニケーション分野⑴ 多言語コミュニケーション技術ア 音声コミュニケーション技術旅行、医療、防災等を含む日常会話の音声認識精度・音声合成音質が実用レベルに達している重点言語について、自動同時通訳を実現するための音声コーパス構築と音声認識技術の研究開発として以下を行う。・日英中の3言語について模擬講演・模擬会議の音声コーパス合計700時間を構築する。・発話先頭での初期化に要する時間を半減する。・1時間以上のオーディオストリームに対して無停止で動作する音声認識システムを試作する。旅行、医療、防災等を含む日常会話の音声認識精度・音声合成音質が実用レベルに達している重点言語について、自動同時通訳を実現するための音声合成技術の研究開発として以下を行う。・英中等の合成に関して肉声レベルの音質を達成する。・話速変換技術における話速と品質劣化の関係を明らかにする。旅行、医療、防災等を含む日常会話の音声認識精度・音声合成音質の実用レベルへの強化が必要な重点言語について、音声認識技術・音声合成技術の研究開発として以下を行う。・ネパール、クメール、モンゴルの3言語について合計1000時間の日常会話の音声コーパスを構築する。・ネパール語の音声認識で、細かい誤認識はあるが実用上は問題がないレベルの認識精度、モンゴル語で、細かい誤認識はあるが許容範囲内のレベルの認識精度を達成する。・ネパール語とクメール語の音声合成で、読み誤りが多少あるが明瞭性・自然性は実用上問題ないレベルの音質、モンゴル語で、読み誤りがあるが、明瞭性は許容範囲で内容の理解は可能である音質を達成する。イ 自動同時通訳技術ビジネスや国際会議等の場面に対応した実用的な自動同時通訳技術を実現するため以下を行う。・同時通訳にかかわるデータを活用し、文より短い翻訳単位に基づく低遅延性について研究開発を行う。・収集した対訳データと活用アルゴリズムの改良で多分野化と多言語化を進める。・単言語データや汎用言語モデルを活用した疑似の対訳データの生成技術の研究開発を行う。・一文を越えた情報を考慮した翻訳技術を実装し実験のため限定公開する。・人間の同時通訳の能力評価について定式化を検討する。・また、社会実装を着実に進めるため以下を行う。・多分野化と多言語化のための翻訳バンクのデータの加工・洗浄方法の研究開発を行う。・旅行、医療、防災等を含む日常会話の翻訳品質の実用レベルへの強化が必要な重点言語(ネパール語、クメール語、モンゴル語)について対訳コーパスを拡張する。ウ 研究開発成果の社会実装・グローバルコミュニケーション開発推進協議会の事務局として協議会の活動を企画・運営し、研究開発や社会実装を促進するための情報共有やシーズとニーズのマッチング等の場を提供する。・オンラインの開催含めシンポジウムや展示会等のイベントを積極的に活用し、研究開発成果の周知を図るととも

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