33911.2 国立研究開発法人情報通信研究機構における令和3年度の業務運営に関する計画(令和3年度計画)11中長期計画、年度計画を行う。光量子制御技術について、量子ノード間接続を光通信波長帯光子で実現するための量子波長変換技術の開発、及び量子光源・検出器の高度化を進める。新型超伝導量子ビットの実現に向けては、シリコン基板上にエピ成長させた窒化物超伝導磁束量子ビット作製・評価技術の研究開発を進める。⑷ 脳情報通信技術人間の究極のコミュニケーションの実現や、人間の潜在能力の発揮を実現することで人々が幸せを実感できる新しいICTの創出を目指して、人間の認知・感覚・運動に関する脳活動を高度かつ多角的に計測・解析する技術を開発するとともに、人間の機能の向上等を支援する技術等の脳情報通信技術の研究開発を実施する。また、脳情報通信技術の社会受容性の確立を念頭においた体制整備も行う。ア 人工脳モデル構築のための脳機能計測と解析に関する研究開発・自然で多様な知覚・認知を司る脳内情報表現を包括的に扱う脳機能モデルの構築に向け、より多様な知覚・認知条件下での脳活動データを収集し、脳機能モデルの構築と高度化を行うとともに、当該モデルの脳に倣う人工知能への応用を検討する。・視覚情報処理と脳波の関係や時間感覚の脳内処理メカニズムを解析し、人間の時空間感覚の制御・拡張技術を検討する。・社会的なインタラクションを伴う課題遂行中の脳活動データを収集し、被験者の行動選択、反応時間を予測する計算モデルを構築する。また計算モデルのパラメーターとストレス等との関係を明らかにする試みを開始する。・人間のウェルビーイングの脳科学的指標を探索する。・fMRIのBOLD手法の高度化を検討し、空間分解能0.6ミリ角以下を達成するとともに、脳内微細構造の可視化技術の開発を進める。・BOLD以外のバイオマーカを活用した可視化手法の開発を進める。・刺激提示手法を高度化し、嗅覚脳内表現や3D視覚情報処理に関する脳活動データを収集する。・話を聞いているときの脳波データを取得し情報理解度や気分の変化に関連する脳活動の解析を行う。また、学習中等の脳波データ及び行動指標を取得し、モチベーションに関連する脳活動の解析を行う。イ 脳情報通信技術の応用展開に関する研究開発・BMIシステムの高度化に向け、神経電極のさらなる多点高密度化を図るため、表面型神経電極の作成プロセスの改善を行うとともに、体内外無線通信技術の課題抽出を行う。・運動パフォーマンス向上技術の開発に向け、脳の半球間抑制機構のモデル化を開始し、手指の器用さとの関連を調査する。・人間の運動機能解析や向上に資する、多様な組織を包含した筋骨格モデルを構築する。・脳情報通信研究成果に基づく非同期パルス符号多重通信のプロトコルの検証のため、500台規模の実証実験を行う。ウ 脳情報通信技術の社会的受容性を高めるための産学官連携研究活動の推進・人間が幸せを実感できる社会構築に脳情報通信技術を的確に役立てるため、外部の文科系研究者も加えたELSIの検討体制を構築する。・学界や産業界への積極的な成果情報発信を行い、共同研究・人材交流等の連携研究を企画・運営し、オープンイノベーション拠点としての機能を整備し、このような拠点機能を強化する。・被験者の個人情報保護と脳データ利活用の両立を可能とする被験者情報システムや脳計測データ管理システムを構築し、情報公開に資するシステムを強化する。・研究成果の普及のために、オンラインシステムも活用したセミナー等を積極的に運用し、優れた研究成果の世界規模の情報発信に努め、脳情報通信に関わる情報発信や連携体制構築にも注力する。1-6.評価軸等1-1.から1-5.までの各分野の研究開発等に係る評価に当たっては、研究開発課題の内容・段階等に応じて、中長期目標に定められているいずれかの評価軸により評価を実施する。また、評価に際しては、評価軸に関連する指標に従って取組や成果を示す。
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