HTML5 Webook
46/372

38■概要ネットワーク研究所は、前中長期計画期間における「統合ICT基盤分野」の研究開発で培った技術を礎に、Beyond 5G時代における Society 5.0の高度化による社会システムの変革を実現するため、通信トラヒックの急増や通信品質の確保、サービスの多様化等に対応し得る「革新的ネットワーク」分野の重点技術として、計算機能複合型ネットワーク技術、次世代ワイヤレス技術、フォトニックネットワーク技術、光・電波融合アクセス技術、宇宙通信基盤技術、タフフィジカル空間レジリエントICT基盤技術の研究活動を実施する(図1)。すなわち、SDGsなど2030年代に期待される社会を実現するため、Beyond 5Gで望まれる機能である広帯域通信や超低遅延、高信頼を叶えるため、光・無線・ネットワーキング等の基礎・システム技術を高める研究活動をしている。より具体的には、数量面と通信領域(陸上に加え海上や上空・宇宙)の拡張性や、災害・障害といった場面でも情報流通を支えるレジリエンスを追求している。さらには、円滑な情報流通を根幹で支える大容量の光通信技術や光と電波を調和利用する技術、柔軟に省力に通信・計算・蓄積・センシングリソース(資源)を制御管理し、さまざまな情報特性に合うネットワークサービスを共存させるためのネットワーク基盤技術を確立する。合わせて、サイバー空間上のネットワーク技術検証技術の確立へ挑戦する。産官学連携で技術革新を進め、新たな技術の標準化や成果の普及、社会実装を目指す。ネットワーク研究所は、3研究センター、直轄を含む7研究室、直轄ラボなど、5か所(東京・小金井、神奈川・横須賀、宮城・仙台、茨城・鹿島、兵庫・神戸)を拠点に活動する(図2)。■主な記事研究開発活動の概要は研究センター等の項に記述し、ここでは、令和3年度に研究所下の職員が実施した活動及び同活動によって掲載された記事の一部を列挙する。学術的社会活動研究開発に関係深い以下の国際会議の長となり貢献。・IEEE/ACM IWQoS (International Symposium on Quality of Service) 2021 General Chair ・IAF(国際宇宙航行連盟 International Astronautical Federation)SCAN委員会 Co-Chair 研究開発分野の幅広い裾野の拡大や最新技術動向の共ネットワーク研究所Beyond 5Gに向けた革新的ネットワーク通信トラヒックの急増や通信品質の確保、サービスの多様化に対応計算機能複合型ネットワーク技術•ネットワーク資源の持続的で適正な提供•通信品質や情報の信頼性を確保次世代ワイヤレス技術•サイバー空間とフィジカル空間の効率的連携•端末・基地局連携を推進する⾼度無線アクセスシステム宇宙通信基盤技術•地上から宇宙までをシームレスにつなぐ•衛星通信の⼩型化・⼤容量化・⾼秘匿化•増⼤し続けるトラヒックに対応•ネットワークに新しい柔軟性を提供•故障源等を検知・予測、性能低下抑制フォトニックネットワーク技術光・電波融合アクセス基盤技術•光と電波の信号帯域を融合し調和的に利⽤•光・電波伝送媒体の選択的・調和的な活⽤•情報通信資源の適切な割当と⾃律的再構成•環境計測センサ群から情報収集し、データを可視化・解析タフフィジカル空間レジリエントICT基盤技術図1 ネットワーク研究所の研究開発領域3.2ネットワーク研究所研究所長  原井 洋明

元のページ  ../index.html#46

このブックを見る