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42■概要Beyond 5G 時代における多様なネットワークサービスが共存する環境において、各々のサービスが求める通信品質や情報の信頼性を確保するとともに、ネットワーク資源の持続的で適正な提供を行うため、ネットワーク内の高度な処理機能によってこれらを実現する計算機能複合型ネットワーク技術の研究開発を実施する。具体的には、大規模ネットワーク制御技術、遅延保証型ルーター技術の研究開発を行い、ニューノーマル時代の社会経済の変革に資するサービスやアプリケーションの実現に寄与する。また、情報特性指向型の通信技術の基礎研究を推進し、社会展開を目指した応用研究開発の開始につなげていく。令和3年度は以下の計画に沿って、研究を実施した。1.ネットワークテレメトリによる大規模ネットワーク制御技術多様なアプリケーションQoE(Quality of Experience)の保証に向けて、拡張性の高いオープンネットワークテレメトリによる情報収集管理技術及びヒューリスティック手法を用いた高度情報分析モデルに基づくネットワーク制御技術の設計に着手する。また、制御管理対象基盤として、新たなデータ転送プラットフォームを設計し、仮想化通信基礎基盤及びインターフェースを実装する。さらに、当該技術に関する国際標準化活動を開始する。2.遅延保証型ルーター技術遅延保証型ルーターにおける処理機能オフローディングのため、プログラマブルハードウェアルーターフレームワークの基本設計を行う。低遅延処理の一機能として、FPGAで実行可能なデータ改ざん検証機能及び送信者認証機能の実装を行う。また、パケット転送機構と連携しながらこれらの機能を呼び出すデータ転送処理機構の基本設計を行い、FPGAに当該基本機能実装を行う。3.分散情報管理機構を用いた情報特性指向型通信技術アプリケーションやサービスが求める信頼性や有効性等の特性を判断して情報提供を可能とする情報特性指向型ネットワークプラットフォームの基本設計を行う。情報特性に基づく経路制御のシミュレーションを可能とするネットワークシミュレータを一次実装・検証するとともに、同プラットフォームに適した分散台帳による制御管理プレーンの実現に向けたネットワーク機能の開発に着手する。VNF*4従来(令和2年度まで)非線形回帰分析(SVR*1)CCPPUU利利用用量量測測定定デデーータタ重回帰分析(LASSO*2)未未連連携携非線形回帰分析(LS-SVR*3)重回帰分析(LASSO)パパイイププラライインン化化及及びび自自動動逐逐次次処処理理にによよるるCCPPUU利利用用分分析析//予予測測秒毎のCPU利用変動傾向予測課題:予測誤差によるCPU飽和CPU利用量ピーク予測課題:秒毎の変動は予測不可カスケード接続して自動連携・秒単位の変動予測資源利用効率向上・ピーク予測誤差の低減CPU飽和発生低減・高速(秒単位)で予測モデル導出変動する状況に追従可能(IEEE CloudNet2021にて発表)CCPPUUリリソソーースス利利用用のの分分析析//予予測測分分析析装装置置令和3年度成果IIMMPP*1:SVR: Support Vector Regression, *2:LASSO: Least Absolute Shrinkage and Selection Operator,*3:LS-SVR: Least Squares –SVR, *4:VNF:Virtual Network FunctionサーバSFC コントローラ...様様々々なな種種類類ののネネッットトワワーークク機機能能オオフフロローーデディィンンググ機機構構IICCNNSSFFCC物理ネットワークネットワークサービス機能のオフローディングによりネットワーク負荷を80%程度削減(IEEE NetSoft2021にて発表)DPINATCacheFirewall図1 VNFデータ分析IMP(Intelligent Model Pipelining)図2Ceforeを用いたネットワークサービス機能のオフローディング機構3.2.2ネットワークアーキテクチャ研究室室長  朝枝 仁ほか14名ネットワークとコンピューティングの融合:持続可能な未来へ向けて

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