433●革新的ネットワーク分野■令和3年度の成果先ず、令和3年度における代表的な外部発表を以下に示す。・IEEE Communications Standards Magazine(Impact Factor =4.23)誌に1件掲載。・IEEE Access誌(Impact Factor =3.367)に1件掲載。・IEEE CloudNet‘21(Invited Paper)に1件採録。・IFIP/IEEE IM‘21(Main session)に1件掲載。・IEEE NetSoft 2021(short)に1件採録。・IEEE GLOBECOM‘21(Main session)に1件採録。・国際標準化提案として、ITU-T SG13 勧告承認2件 (Y.3077、Y.3178)。・国際標準化提案として、IETF への標準化提案2件とIRTFへの提案2件がラストコールを完了。次に、1.ネットワークテレメトリによる大規模ネットワーク制御技術研究として、多様なアプリケーションQoE保証を行う高度分散協調型テレメトリーに基づく情報分析/管理技術による自動制御管理機構(大規模マルチベンダネットワークの運用自動化レベル4を対象とした制御管理)の基本設計及び評価を実施した。仮想網機能(VNF)のCPU利用分析を高度化させる2段階Intelligent Model Pipelining(IMP)技術で、AI未使用と比較したピーク予測誤差を24%以上低減できるモデルを6秒未満で自動導出し、成果をIEEE CloudNet 2021招待論文にて発表した(図1)。2.遅延保証型ルーター技術研究として、Beyond 5G時代に必要となる高機能なプログラマブルルーターの実現を目指し、従来の約4倍の回路規模と約7倍の内部メモリを有する次世代FPGAを用い、高負荷な処理を低遅延化するためのオフローディング機能として、パケット転送中のコンテンツ改ざん検証機能及びパケット転送時間保証のための優先制御機構を持つプログラマブルルーターの基本設計・開発を実施した。3.分散情報管理機構を用いた情報特性指向型の通信技術研究として、電子情報通信学会誌解説論文にて発表した「Cefore」を用いてネットワークサービス機能のオフローディング機構を設計・実装し、ネットワーク負荷80%程度の削減に成功した。本成果はIEEE NetSoft 2021にて発表した(図2)。また、量子鍵配送ネットワーク(QKDN)と情報指向ネットワーク(ICN)の連携・融合を世界で初めて提案し、量子暗号鍵の利用効率を2.5倍以上に向上、またコンテンツ取得時間を半分程度に低減可能であることをシミュレーションにて確認し、成果をIEEE GLOBECOM ’21にて発表した(図3)。国際標準化活動として、国内の通信事業者及びSI事業者と共同でITU-T SG13に提案した「AIによるネットワークサービス提供の機能フレームワーク」がY.3178として、国内の大学と共同でITU-T SG13に提案した「ICNによるヘテロジーニアスなアプリケーション環境の連携機構」がY.3077として勧告承認された。IETF OPSAWG、PIM WGに対して標準化提案していた2件のインターネットドラフト及びIRTF ICNRG、NWCRGへ提案していた2件のインターネットドラフトがラストコール(技術詳細を検討するグループのレビューが完了した状態で、この後、最終的な文章チェックが行われてRFCが発行される)を完了した。従来型の通信ユーザーNWQKDN鍵を(2×ユーザー数) 組使用(End-to-End通信にて鍵を利用)QKDN x ICN通信鍵を(1+ユーザー数) 組使用(Hop-by-Hop通信にて鍵を利用)QKDノード(トラステッドノード)ユーザーが使用する暗号鍵ユーザーが使用する鍵( )を暗号化してリレーをするために用いる鍵暗号鍵の利用効率2.5倍以上向上、コンテンツ取得時間は半分に(IEEE GLOBECOM’21にて発表)図3 QKDNとICNの連携・融合技術3.2 ネットワーク研究所
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