HTML5 Webook
58/372

50■概要Beyond 5G時代を見据えて、非地上系ネットワーク(NTN)と地上系の融合により海洋から宇宙まで3次元のシームレスな通信ネットワークをグローバルに拡張し、あらゆる状況や環境の下で「つながる」ワイヤレスネットワーク技術の研究開発を推進している。令和3年度は第5期中長期計画の初年度に当たり、新たな中長期目標に応じた計画を立て研究開発を立ち上げるとともに、各種イベントの開催、視察者の対応等、研究成果の対外的な情報発信に努めるとともに、専門的な知見に基づき、総務省の施策等に対する貢献を行った。■主な記事1.令和3年度における研究開発の主要トピック(1)次世代ワイヤレス技術ワイヤレスエミュレータの研究開発に関して、利活用を推進する「ワイヤレスエミュレータ利活用社会推進フォーラム」を設立し、令和4年3月4日に「ワイヤレスエミュレータ利活用シンポジウム」を開催し成果の周知に貢献した。スペクトラム利用高効率化を促進する干渉把握・制御技術を開発し、スマート無線研究会論文賞を受賞した。工場等の製造現場の無線リソースキャパシティ計算手法を提案し、WPMC 2021にてBest Paper Awardを受賞した。さらに「製造現場をガッカリさせない無線評価虎の巻」の評価手法に基づき、無線通信安定化を実証し報道発表を実施した。その他詳細は、ワイヤレスシステム研究室の記述を参照いただきたい。(2)宇宙通信基盤技術衛星5G技術を活用した地上・衛星ネットワークの連携を目的として、欧州宇宙機関(ESA)と日欧国際間長距離5Gネットワークの接続実験を実施し、日欧間衛星5G統合制御実験を実証した。国内外へのコミュニティの形成と拡大を目指し、スペースICT推進フォーラム及び分科会(衛星5G/Beyond 5G連携技術分科会及び光通信技術分科会)を運営し、令和3年8月6日に第1回スペースICT推進シンポジウムを約380名参加で開催した。飛ひ翔しょう体に搭載し最大400 Gbps伝送を実現する光通信機器の基本設計を完了し、2種類の初期モデルを完成させた。その他詳細は、宇宙通信システム研究室の記述を参照いただきたい。2.各種イベントの開催(1)スペースICT推進フォーラム令和3年度定期総会の開催令和3年5月17日、ワイヤレスネットワーク研究センターが事務局を務めているスペースICT推進フォーラムの令和3年度定期総会を開催した。本フォーラムは、衛星通信に関連する企業・機関やユーザー等が広く参加するコミュニティを形成し議論する場を設けることを目的に設立され、事務局はNICTとJAXAが担当している。(2)WTP 2021への出展及び講演令和3年6月2~4日の3日間、「ワイヤレス・テクノロジー・パーク(WTP)2021」において、最新成果の展示及び講演を行った(図1)。同イベントは、ワイヤレスの最新技術や人材交流、及びビジネスマッチングを目的とした国内最大級のワイヤレス専門のイベントで、NICTは特別協力という形でサポートを行っている。(3)周波数資源開発シンポジウム2021の開催令和3年7月9日、明治記念館にて周波数資源開発シンポジウム2021を開催した(図2)。本シンポジウムは、電波利用拡大に対応するため、安定した周波数資源の確保と利用の効率化を目指し、周波数資源開発を巡る様々な取組をテーマとして毎年開催しており、産学官の専門家にご講演いただいた。(4)国際会議WPMC 2021の開催令和3年12月14~16日の日程で、WPMC 2021(International Symposium on Wireless Personal Multimedia Communications 2021:国際パーソナルマ図1 WTP 2021におけるNICTブースの様子3.2.4ワイヤレスネットワーク研究センター研究センター長  豊嶋 守生

元のページ  ../index.html#58

このブックを見る