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58■概要国土強靭化に向けた取組の推進として、企画連携推進室はセンター内の各研究室・研究プロジェクトとの連携協力体制の下、耐災害ICTの社会実装に向けた連携及び研究成果の社会展開活動に取り組んだ。具体的には、防災訓練などを通じた実証実験及び実災害時の利活用、シンポジウムや展示などを通じた研究成果の社会展開を実施するとともに、東北大学及び各大学との連携推進、産学官連携の推進等の活動を実施した。また、戦略的プログラムオフィスの地域連携・産学連携推進室の東北ICT連携拠点として、東北地域の産学官連携推進及び地域でのICT利活用推進の活動を行った。■令和3年度の成果1.レジリエントICTの基盤研究、応用研究の推進及び研究成果の社会展開活動国土強靭化に向けた取組の推進として、サステナブルICTシステム研究室やロバスト光ネットワーク基盤研究室と連携して、レジリエントICTの社会実装に向けた技術実証や研究成果の社会展開に向けた活動に取り組んでいる。基盤研究、応用研究の推進とその成果の社会実装に向けた活動として、内閣府SIP第2期「国家レジリエンス(防災・減災)の強化」において民間企業とも連携して研究開発してきた、通信途絶地域においてもエッジノード同士が近接通信により情報を同期共有できるようにする基盤技術である「接近時高速無線接続技術」を活用し、防災科研・ATRとの連携の下、ポータブルSIP4Dの開発に取り組んだ。また、同技術を搭載した防災情報通信・管理システムを高知県香南市が民間企業に委託して導入に着手しており、NICTは通信エリアや通信性能などの計測とその取りまとめを行うなどして同システムの設計に貢献した。さらに、同技術は高知市消防局が民間企業に発注して導入した災害時オペレーションシステムにも搭載され、消防業務で利用されている。地方自治体の防災訓練への参加や、地域課題解決型研究の推進を通じた社会実装の促進として、神戸市市民版防災訓練(情報投稿訓練)に協力し、令和3年6月9日から2日間、防災チャットボットSOCDAのLINEアカウントを通してユーザ(神戸市民)に投稿を呼びかけ、大雨警報が発表された状況下を想定し、被害状況等の情報収集を行った。この訓練において利便性を向上させた新しいユーザーインターフェースを提供し、神戸市関係者側から好評を得ることができた(図1)。また、同市の令和4年1月17日の訓練でも利用された。加えて、新たな自治体にてSOCDAを活用する商用サービスが開始され、令和3年8月の豪雨時に実活用された他、令和4年3月16日図1新たに導入した改良版SOCDAインターフェース(地図データ©2021 Google)図2宮城県女川町でのAIを用いた車両自動検出による道路通行量モニタリング24時間検出結果映像内の車両の速度・進行方向ヒストグラム車の軌跡Webアプリ(公開中)3.2.5.1企画連携推進室室長  長妻  努ほか11名実際の災害で支援できる研究成果の社会展開を目指して

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