633●革新的ネットワーク分野モデリングの統一的アプローチ及びBlade Ab-straction Interface(BAI)技術(NICT開発)についての研究開発を行った。ディスアグリゲーション装置とレガシー装置が混在するヘテロな光ネットワーク資源上のオープンな統合制御、ディスアグリゲーションブレードに基づくレガシー装置の応急復旧の実証実験を実施した(図2(a))。また、異種ブレードベンダ、異種システムインテグレータ(SIer)、マルチドメイン、テレコム・データセンターなど異なる領域を含むヘテロな光通信環境において、ハードウェア装置の多様性にFBD+BAIで対応し、異なるSIerのネットワークモデルの多様性をONFのTransport-API(TAPI)及びモデル翻訳ミドルウェアで収容するという多様性対応の統一的アプローチを提案し、実証実験に成功した(図2(b))。3.通信・計算資源連携基盤技術の研究開発インタークラウド環境を含むクラウドエコシステムを新設・調整するには、通信基盤における通信資源の供給状況とインタークラウド環境における通信回線需要との間の動的かつ効率的な情報共有・需給マッチング機能が必要である。大規模障害時にデータセンター事業者と通信事業者間の連携について、米国カリフォルニア大学デービス校(UC-Davis)と共同で、第三者仲介で相互の秘密情報の漏えいなく連携を行うアプローチ及び連携復旧計画方法を提案し、モデリング研究を実施した(図3(a))。初期段階の数値評価により、連携なしの場合と比べ提案手法に基づく連携は異なる通信事業者網に分散される通信資源の利活用を可能にし、データセンター間通信応急復旧後に復旧されるデータセンターサービス量が著しく改善(>70%増)されることが判明した(図3(b))。4.日米連携プログラムJUNO2平成30年9月から令和3年8月までの期間で日米共同研究プログラムJapan-US Networking Opportunity 2 (JUNO2)の中で、課題名「次世代メトロ光ネットワークの耐災害戦略」としてUC-Davisと共同研究を実施した。本プロジェクトの一環として、令和3年度は、テレメトリによって収集した情報による機械学習を用いた障害検知技術の研究開発を実施した。転移学習とドメイン適応技術により新しい環境下においても限られたデータで効率良く学習し、障害の検知及び種類同定するフレームワークの開発を行った。図4に実験概要図を示す。強度減少・狭さくフィルタの2種類の障害を模擬実験し、光信号強度及びOSNRの時系列データを取得した。十分なデータ量を用いて学習した後、異なる光パスにおける少量のデータを用いて学習器のチューニングを行うことで高速に学習し、障害検知及び2種類の障害種別同定に関して当該環境において十分な量の学習用データを用いた場合と同等の精度を達成可能であることを実証した。既存の光通信機器故障した既存の光通信機器をディスアグリゲーション機器により応急復旧既存の光通信機器+ディスアグリゲーション機器Functional Block-based Disaggregation (FBD) モデル(光ノードの抽象化モデル)ノードレベルネットワークレベルブレードレベルFBDモデルに基づく統一•ブレードモデリング•ブレード設定BladeAbstractionInterface(FBD-BAI).単体コンポネントタイプのブレード複合コンポネントタイプのブレードオープン化・ディスアグリゲーション機器デバイスモデル例、OpenROADM統一インターフェースFBD-BAIBlade Abstraction Interface (FBD-BAI):ブレード統合インターフェース(a)異種SIer光ネットワークモデル多様性対応アプローチONFTAPIモデル対応のTAPIマッパ(翻訳)デバイスモデルAデバイスモデルBTAPI ネットワークモデルディスアグリゲーション+既存の光通信機器、異種ベンダ機器が混在するヘテロな通信環境マッパAマッパBFBD モデルFBD-BAI (ブレード抽象化インターフェイス)TAPI マッパATAPI マッパBTAPI マッパFBDネットワークモデルAネットワークモデルBFBD モデルネットワーク論理モデル・デバイスモデルの多様性光通信機器ハードウェアの多様性光通信機器の多様性対応のアプローチ•ノードを抽象化するFBDモデル•ブレード抽象化インターフェイスBAI(b)(a)(b)図2 オープン化による光網相互接続提案:(a)装置の多様性対応、(b)ヘテロな光網統合・自動制御((aa))ククララウウドド、、通通信信事事業業者者、、第第三三者者仲仲介介連連携携にによよるる応応急急復復旧旧概概念念図図((bb))数数値値評評価価結結果果第三者仲介通信事業者-A光網生残リンク通信事業者-B光網故障リンク生残DC故障DCDC間網新規リンク(通信事業者A支援)新規リンク(通信事業者B支援)故障DCリンク生残DCリンク0200040006000800010000両両通通信信事事業業者者大大規規模模災災害害通信事業者Aのみ大規模災害通信事業者B小規模災害両両通通信信事事業業者者小小規規模模災災害害応急復旧後に復旧されるデータセンタサービス量従来手法(連携なし)提案手法(連携あり)データセンタ事業者、通信事業者の提案手法による連携により、応急復旧後に復旧されるデータセンタサービス量が大幅に改善(>70%増、従来比)図3 通信・計算基盤連携復旧戦略の策定:(a)第三者仲介による通信・計算基盤連携復旧、(b)数値評価OA: 光増幅器OSA: 光スペクトラムアナライザOSNR: 光信号対雑音比ROADM: 再構成可能光アド・ドロップ器VOA: 可変光減衰器WSS: 波⻑選択スイッチ過剰なフィルタリング設定過剰な信号減衰2種類の障害シナリオ(ノード3.2 –ノード1間)図4 機械学習による障害検知・同定のためのデータセット構築実験概要3.2.5 レジリエントICT研究センター
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