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66■概要巧妙化・複雑化するサイバー攻撃への対策は国を挙げた喫緊の課題となっている。令和3年度から開始した第5期中長期計画において、サイバーセキュリティ研究所は図1に示す新たな組織体制で発足した。サイバーセキュリティ研究室及びセキュリティ基盤研究室では、産学と連携し、それぞれサイバーセキュリティ技術及び暗号技術に関する研究開発等に取り組むとともに、その成果の普及・社会実装を目指した取組を行った。また、政府の方針を踏まえ、新設のサイバーセキュリティネクサスではサイバーセキュリティ産学官連携拠点形成に向けた活動を開始、ナショナルサイバートレーニングセンターではサイバーセキュリティに関する演習、ナショナルサイバーオブザベーションセンターではパスワード設定等に不備のある IoT 機器の調査などの業務等を実施した。■主な記事サイバーセキュリティ研究所における令和3年度の主要な成果を以下に示す。なお、詳細については、それぞれの研究室やセンターの項を参照いただきたい。1.主要な成果(1)サイバーセキュリティ研究室•サイバー攻撃誘引基盤STARDUSTの並行ネットワーク構築機能強化•AIによるマルウェア活動早期検知技術とアラート低減技術の高度化•サイバー攻撃統合分析プラットフォームNIRVANA改のIPv6対応と技術移転•5Gセキュリティ検証基盤の構築とセキュリティ検証(2)セキュリティ基盤研究室•プライバシー保護連合学習技術 DeepProtect の展開•観測ロケットMOMOで情報理論的に安全な実用無線通信に成功•量子コンピュータ時代に向けた暗号技術の安全性評価•Webex等で使われるエンドツーエンド暗号化の脆弱性発見と防御対策の提案(3)サイバーセキュリティネクサス•産学官連携拠点のハードウェア基盤設備の設計・調達・構築•4つのサブプロジェクトCo-Nexus A/S/E/Cの体制構築•サイバーセキュリティ演習基盤CYROPのオープン化トライアルの開始(4)ナショナルサイバートレーニングセンター•実践的サイバー防御演習「CYDER」準上級コースとオンラインコースの新設•情報処理安全確保支援士向け特定講習「RPCI」の開始•セキュリティイノベーター育成事業「SecHack365」 フルオンライン実施(5)ナショナルサイバーオブザベーションセンター•パスワード設定等に不備のあるIoT機器調査及び利用者への注意喚起の継続実施•HTTP/HTTPSのBasic認証/Digest認証に対する特定アクセスの予備調査開始2.研究成果等の発信及び社会貢献(1)Interop Tokyo 2021への出展令和3年4月14〜16日にInterop Tokyo 2021展示会が幕張メッセにて開催された。Interopで構築・運用される世界最先端のネットワーク「ShowNet」において、IPv6図1 サイバーセキュリティ研究所の組織体制サイバーセキュリティ研究所サイバーセキュリティネクサスナショナルサイバートレーニングセンターナショナルサイバーオブザベーションセンター総合企画室管理グループサイバーセキュリティ研究室セキュリティ基盤研究室サイバートレーニング事業推進室サイバートレーニング研究室サイバーオブザベーション事業推進室サイバーオブザベーション運用室3.3サイバーセキュリティ研究所研究所長  盛合 志帆

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