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673●サイバーセキュリティ分野版NIRVANA改や、NICTER、CUREなどサイバーセキュリティ研究室が研究開発する技術を導入、安定した運用を実現し、ShowNet構築を成功へと導いた。事前検証期間(HotStage)から13名が「ShowNetコントリビュータ」として現地でのシステム検証を行い、システム導入期間(Deploy)でも継続してシステムの実運用を実施した。このうち、ShowNetの構築・運用主体「NOC(Network Operation Center)」として、陣頭指揮担当(ジェネラリスト)の遠峰主任研究技術員、セキュリティ担当の神宮主任研究技術員は、HotStageが始まる半年以上前からShowNetの企画・構想から携わった。展示会に先立ち、令和3年4月12日にプレスリリース「サイバー攻撃統合分析プラットフォーム“NIRVANA改”がIPv6に対応」を行い、展示会にて動態展示を行った(図2)。展示会ではナショナルサイバートレーニンングセンターでの人材育成についても紹介を行った。3日間の幕張メッセへの来場者数は37,703人で、ライブ配信視聴者数は25,381人であった。(2)東京オリンピック・パラリンピック競技大会への貢献サイバーセキュリティ研究所は、平成27年より「2020 年東京オリンピック・パラリンピック競技大会におけるサイバーセキュリティ体制に関する体制検討会」に参画、東京 2020 大会を想定したシステム観測と情報共有の試験運用に協力してきた。令和3年の大会準備期間から大会終了までの間は、内閣サイバーセキュリティセンターに設置されたサイバーセキュリティ対処調整センターに「情報セキュリティ関係機関」の一つとして協力、東京 2020 大会関連システムのシステム観測と情報共有を実施し貢献した。また、ナショナルサイバートレーニングセンターは、平成29年度から東京 2020 大会向けサイバー演習「サイバーコロッセオ」を実施し、大会関連組織のセキュリティ関係者に対して大会開催時を想定した模擬環境で攻撃・防御双方の実践的な演習を行い、4 年間で延べ 145 日(128 回)、延べ約 2,300名が受講した。これらの貢献により、大会組織委員会から感謝状を授与された(図3)。(3)NICT サイバーセキュリティシンポジウム 2022の開催令和4年2月18日にNICTサイバーセキュリティシンポジウム2022を開催した。NICTからは第5期中長期計画におけるサイバーセキュリティ研究所の取組や最新の研究成果、サイバーセキュリティネクサスやナショナルサイバートレーニングセンターの活動に関する講演を行った。また、招待講演として、インターステラテクノロジズ株式会社の森岡澄夫氏より「宇宙開発の大きな変革と重要性を増すセキュリティ基盤」、日本シーサート協議会運営委員長の萩原健太氏より「一人CSIRTでもできる備え」の講演をいただいた。本シンポジウムは、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、ZoomウェビナーとYouTubeを活用したオンライン開催で実施され、参加申し込み者数は468名、当日の参加者数は319名(Zoom及びYouTubeの視聴者合計)と、全国各地の行政、企業、大学等の研究機関等から幅広く参加があり、盛況であった。今後も、研究成果の積極的な発信や、サイバーセキュリティ技術の社会展開を着実に進めていきたい。図2 Interop Tokyo 2021展示会でのIPv6版NIRVANA改のデモ説明の様子図3 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会からの感謝状3.3 サイバーセキュリティ研究所

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