753●サイバーセキュリティ分野会場が遠い、開催日に都合が付かない等、時間的・地理的要因で参加が困難な未受講の地方公共団体などが受講できるようオンラインコースを新設し641名が受講した。(2)「実践サイバー演習RPCI」の概要と実績(図3)これまでCYDERで培ってきたNICTの強みである大規模環境と実機演習のノウハウを活いかし、情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)の更新用の講習である特定講習向けのカリキュラムとシナリオを構築し、令和3年度から実践サイバー演習RPCIの提供を開始した。技術に寄った講習を希望する情報処理安全確保支援士の受講者のニーズに対応する講習を提供し、受講者から高い満足度(受講者の56%が5段階評価で最上位の「大変満足」と回答)を得られた。感染症対策等を徹底し感染者を発生させることなく事業を完遂し、国家資格の更新講習として着実かつ高品質な演習の提供により我が国のサイバーセキュリティ人材育成に寄与した。2.「セキュリティイノベーター」育成事業(1)「SecHack365」の概要(図4)当センターは、NICTが有する遠隔開発環境「NONSTOP」及び研究・開発に関する知見や人的資源という強みを活用することにより、ほかに類を見ない、1年を通して行われる、アイデアソン、ハッカソン、遠隔研究・開発、発表の組合せによる総合的能力開発プログラム「SecHack365(セックハック サンロクゴ)」を平成29年度から提供している。(2)「SecHack365」の実績実施5年目となる令和3年度においては、従来の対面式の集合イベントも検討したが、コロナ禍によりオンラインでの開催となった。4月1~15日の募集期間中203名から応募を受け付け、選抜された45名の受講者(トレーニー)に対し、セキュリティに関わる研究・開発のトレーニングを実施した。45名のトレーニーに対しては、従来の遠隔研究・開発環境の提供及びトレーナーからのオンラインでの遠隔指導と並行して、イベントウィークと呼ばれる作品作りの期間と、その間に設定したイベントデイと呼ばれる全員参加型のオンラインイベントを組み合わせ、9か月で計6回のイベントを実施した。1月末の最終発表では全員が事前収録動画で発表を行い、6人の優秀修了生を審査により選出した。3月には一般に向けオンラインでの成果発表会を実施し、全員のポスター展示と成果の発表を行った。平成30年度からは、修了生のコミュニティ構築にも着手し、コミュニケーションツールの導入や、修了生を対象としたイベント「SecHack365 Returns」を実施しているところであるが、NICTからの修了認定カードの発行、修了生用のコミュニケーションツール及び成果収集や情報発信ツールとしての「修了生ポータルサイト」の運用を開始し、修了生の成果の収集とコミュニティの拡充を目指している。図2 CYDERの概要図3 実践サイバー演習RPCIの概要図4 SecHack365の概要3.3.4 ナショナルサイバートレーニングセンター
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