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773●サイバーセキュリティ分野令和3年度においては、従来のAコース(初級)Bコース(中級)に加えCコース(準上級)を新設し、全国47都道府県で合計105回の集合演習を開催し2,454人が受講した。一方で、会場に集合する形式の演習では、会場が遠い、開催日に都合が付かない等、時間的・地理的要因で参加が困難な未受講の地方公共団体などの要望に応えるためオンラインコースを新設し、641名が受講、集合演習とオンライン演習合計で 3,095 名のセキュリティオペレーターを育成した。また、平成29年度から実施してきた省庁への広報活動が実を結び、デジタル庁が中央省庁向けに実施する情報システム統一研修事業を昨年度、一昨年度に引き続き当センターが受託して、合計58名に対する演習を実施するなど、CYDER演習の裾野は着実に広がってきている。2.実践サイバー演習RPCIの実施令和3年度から公的機関初の情報処理安全確保支援士向け特定講習として実践サイバー演習「RPCI」を開始した。本講習を受講・修了することで、登録資格の更新に必要となる実践講習(3年に1度受講必須)の要件を満たすことができる。RPCIは当センターがサイバーセキュリティ人材育成事業で培ってきた実践的演習のノウハウ、NICTの強みである大規模演習環境やサイバーセキュリティ研究の知見を活いかし、情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)向けにシナリオを構成した講習である。令和3年度においては全10回の演習を開催し、「事前オンライン学習」と「集合演習(ハンズオン&グループワーク形式)」により、座学のみで終わらない本格的なトレーニングを提供した。3.SecHack365 …各コース実施内容の更なる充実と修了生コミュニティの継続支援5年目となったSecHack365では、昨年度からの5コース制を継続しコースごとの特色を明確にすることで、受講者の多様なニーズに対する指導の充実を図った。新型コロナウィルス感染症の影響により、オンライン開催となったが、203名の応募者より選出された45名のトレーニーに対し、令和3年4月から令和4年2月までの間、イベントウィークと呼ぶリアルなコミュニケーションをとりながらの作品作りや各種教養を学ぶことに費やす期間と、その期間中に設定する全員参加型イベントを開催するイベントデイを組み合わせ、従来の集合イベントと同様の内容で計6回のイベントウィークを実施した。また、その成果を一般に向けて発表する場として3月に「成果発表会」をオンラインで開催した。また、修了生コミュニティの構築も継続し、修了生を対象としたイベント「SecHack365 Returns」を実施(図2)や、修了生向けのコミュニケーションツールの導入として「修了生ポータルサイト」の作成を行った。なお、今年度受講生は、1年間を通しての研究・開発、作品作りの成果として、「開発環境に馴染むWebアプリ向けFuzzingツールSecHackFuzz」、「Seknot あなただけの暗号資産で新しい世界を」等、優秀な作品を多数発表した。修了生の成果はSecHack365 Webサイトから確認できる。図2 オンラインで開催された「SecHack365 成果発表会」の様子3.3.4 ナショナルサイバートレーニングセンター

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