78■概要サイバートレーニング研究室は、ナショナルサイバートレーニングセンター内において、サイバーセキュリティないしICTに係る人材育成事業であるCYDER(サイダー)、実践サイバー演習RPCI(リプシィ)及びSecHack365(セックハック サンロクゴ)の演習及びプログラムの実施を主に技術的側面で支えつつ、当研究室固有の研究テーマとして、より効果的、効率的に演習事業を推進するための研究開発、他分野への応用に向けた技術開発及び外部への技術移転のための研究開発等に取り組んでいる。セキュリティ人材不足が深刻な問題となっている現在において、一人でも多くのセキュリティ人材を迅速に育成する必要性から、セキュリティ人材育成を効率化し、その効果を最大化する必要性は非常に高いところ、当研究室は、その担当業務自体に存在する課題に直面しながら、その解決のための研究開発に取り組むという独自の立ち位置で業務を行っているところに、その特色と強みがある。■令和3年度の成果1CYDERANGE(サイダーレンジ)の実運用当研究室は、平成29年度までに、これまでのCYDERの事業運営を通じて得られた知見とNICTが有するサイバーセキュリティ研究に関する技術を活いかし、演習シナリオの自動生成、演習環境の自動構築等を可能とする演習自動化システム「CYDERANGE」を開発した。平成30年度からCYDER事業においてCYDERANGEの本格運用を開始しており、令和元年度以降においても地方自治体向け、国の行政機関向けといったコースごとに、きめ細かく最適化されたサイバー演習環境等を、迅速かつ低コストに開発・運用している。さらに、演習受講者数の拡大のためのオンライン演習を可能にする高度化開発に取り組んだ新たなCYDERANGE においては、受講者は自らの PC を用いて北陸 StarBED 技術センターの演習環境にリモート接続し、動画等による指導を受けながら実践的な演習に取り組むことができる(図1)。集合演習の会場に来ることなく、PC の Web ブラウザのみで演習が完結するため、図1 CYDERオンラインAコース受講イメージ3.3.4.2サイバートレーニング研究室室長 花田 智洋ほか16名セキュリティ人材育成の未来を切り拓ひらく
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