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アジア・オセアニア宇宙天気連合(AOSWA) 第1回ワークショップ開催報告 電磁波計測研究所 宇宙環境インフォマティクス研究室

NICT電磁波計測研究所宇宙環境インフォマティクス研究室では、タイ王国チェンマイ大学及びNICTアジア連携センターの協力のもと、2012年2月22日(水)~24日(金)にチェンマイ市内のImperial Mae Ping Hotelにおいて、アジア・オセアニア宇宙天気連合(AOSWA: Asia-Oceania Space Weather Alliance)第1回ワークショップを開催しました。

太陽活動によって生じる宇宙環境の様々な変動は、通信衛星、放送衛星などの人工衛星、航空機や船舶などの航法・測位、短波通信や有人宇宙活動などに影響を及ぼします。この変動の現況を把握し、その後の推移を予測するのが宇宙天気予報です。宇宙天気予報においては、現象の源となる太陽・太陽風の監視のみならず、電離圏や地磁気の変動の監視のために広域・汎地球的な観測網の構築が重要です。また、近年アジア・オセアニア域の国々は宇宙開発・利用に力を入れ始めており、宇宙天気予報の必要性も認識され始め、予報センターの設立も相次いでいます。AOSWAは、これらの背景を踏まえ、アジア・オセアニア域の各国が独自に行っている宇宙天気観測(特に電離圏や地磁気の観測)データの交換と地域的な宇宙天気研究・予報業務の協力体制の実現を目的として、2010年にNICTの呼びかけによって、7カ国の13機関を中心として設立されました。以来、NICTが主導的に会合の開催やWebを通した情報発信などを行ってきましたが今回、第1回ワークショップを開催するに至りました。

本ワークショップは、議長であるNICT電磁波計測研究所の井口俊夫所長の挨拶で幕を開けました。10カ国、30研究機関から76名が参加し、各国・各研究機関の宇宙天気研究・予報業務に関して41件の口頭発表と21件のポスター発表が行われました。いずれの発表も大変盛況で、熱心な議論で講演時間の延長が相次ぎました。これは、近年、アジア・オセアニア域において宇宙天気分野の予報・研究活動が活気をもって推進されていることの反映だと思います。今回は、初顔合わせの意味で各機関における活動内容の紹介をする発表が中心になりました。最終日には、AOSWA第2回ワークショップが2013年に中国の宇宙天気研究機関主催で行われることも発表され、盛況のうちに終了しました。

AOSWA及びワークショップの詳細については、下記をご覧ください。
AOSWA: http://aoswa.nict.go.jp/index.html
ワークショップ: http://aoswa.nict.go.jp/workshop.html

●ワークショップ参加登録者・機関の国名 分布地図(10カ国、30機関、76名)●ワークショップ参加登録者・機関の国名 分布地図(10カ国、30機関、76名)

●議長・NICT電磁波計測研究所 井口俊夫所長挨拶●議長・NICT電磁波計測研究所 井口俊夫所長挨拶

●共同議長・チェンマイ大学アカチャイ 前副学長挨拶●共同議長・チェンマイ大学アカチャイ 前副学長挨拶

●見学ツアー風景(NICTイオノゾンデ 観測サイト)●見学ツアー風景(NICTイオノゾンデ 観測サイト)

●参加者集合写真●参加者集合写真

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