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研究推進部門 総合企画部 |
藤田 清太郎、クラウス ヴェルナー 西永 望、平紙 幸一 |
国連の機関である国際電気通信連合(ITU)が主催するITU世界テレコムは、国際通信とICT分野における世界最大規模のイベントとして、ほぼ3年ごとに開催されています。今回のITU世界テレコム2009は、ITUに加盟する産業界も含めた様々な階層の機関・組織が、未来を見据え、興味を引く多方面の出展をすることで、世界にまたがる真の国際通信とICTプラットホームの構築を目標に開催されました。
NICTは、NHK及び三菱電機とともに、日本パビリオンの1コーナーとして出展しました。同コーナーでは、NICTがユビキタスネット社会の発展に貢献する「知的創造社会」の実現に向け、研究開発のための主要テーマとしている「安心・安全のためのICT」、「ユニバーサルコミュニケーション」、「新世代ネットワーク」についての概説“About NICT”に加え、ユニバーサルメディア研究センターから“Floating Touch Display(フローティングタッチディスプレイ:NICT開発の光学素子を用いた、空中映像が操作可能なディスプレイ)”、知識創成コミュニケーション研究センターから“Multi-lingual Speech-to-Speech Translation System(多言語音声翻訳システム:音声認識、機械翻訳、音声合成技術を連携することで多言語間の音声から音声への翻訳を行うシステム)”、新世代ワイヤレス研究センターから“Broadband Wireless Access on Air in the Near Future(空に実現するブロードバンド通信:航空機内で光ファイバークラスの高速なインターネット環境を提供するシステム)”、及び総合企画部 新世代ネットワーク研究開発戦略推進室から“Toward the New Generation Network(新世代ネットワークを目指して)”と“NICT NWGN Vision and Five Network Targets(NICT新世代ネットワークのビジョンと5つのネットワークターゲット)”について、それぞれパネル展示を行いました。

併せて、“Floating Touch Display”及び“Multi-lingual Speech-to-Speech Translation System”については、それぞれ、先進の技術開発を駆使したデモンストレーションを行いました。見学者は、興味津々な様子で列を作り、実体験していました。そして、幾度となく“Amazing”、“Incredible”と賞賛の声があがり、大勢の方々からNICTの着実な研究開発が将来のICT社会に役立つであろうとの評価を受けました。
また、ITU世界テレコムのフォーラムでは、10月8日(木)11:00〜12:00、“Future Internet”について、パネルディスカッションが行われ、NICTからは、宮部理事がパネリストとして出席しました。ディスカッションでは、現在のインターネットに代わる新しいネットワークの必要性が確認され、新しいネットワークにスムーズに移行できるような設計が重要というコメントがありました。
