HTML5 Webook
28/112

間の心の状態に大きな影響を及ぼすこと及び扁桃体がその過程に関与することを示唆している。SNSデータからのパーソナリティや属性の予測           SNSは現代社会に欠かせないコミュニケーションのツールであり、その使い方には個人による差がある。実際、先行研究ではこの違いに着目し、FacebookやTwitterユーザーが入力したテキスト情報からそのユーザーのパーソナリティ特性であるBig5を推定できると報告している。Big5とは、人間のパーソナリティを大きく5つのタイプに分類した研究成果に基づく基本的な性格分類である。しかし、推定可能なパーソナリティの範囲、推定に有効な情報の詳細はよく分かっていない。このような状況のもと、我々が収集したTwitterデータと様々なパーソナリティ(と属性)のデータ(図1)を用いて、SNSのどのような情報から、どんな種類のパーソナリティが、どの程度の精度で推定できるのかを調べる研究を行った(図6)[8]。239名(男性156名、女性83名、平均年齢22.4歳)4図6 Twitter情報から幅広いパーソナリティを推定A: 実験参加者のBig5外向性に関する実際の得点と推定値、B: ネットワーク情報からの推定結果、 C: 言語統計情報からの推定結果、D: 使用単語情報からの推定結果横軸はパーソナリティ(と属性)の種類、縦軸の推定精度の評価は実際のスコアと推定値の相関係数で行い、図中の実線、破線、点線はそれぞれp = .05/52, p = .01/52, and p = .001/52の基準を示す図5不平等に対する扁桃体の脳活動パターンから現在と将来のうつ病傾向を予測 a 実験参加者と提案者のお金の分け方に関する提案を受入れるか拒否するかを決める最終提案ゲーム b 最終提案ゲーム中の不公平に対する扁桃体/海馬の活動パターン c 各実験参加者(1つの○)の不公平に対する左扁桃体/海馬の活動パターンから現在(左)と1年後(右)のうつ病傾向を予測した結果、実測値(横軸)と予測値(縦軸)の間に正の相関が見られ予測が可能であることを示す。24   情報通信研究機構研究報告 Vol.68 No.1 (2022)3 ICTの最適化のための脳情報通信技術

元のページ  ../index.html#28

このブックを見る