ICTを活用して障害児教育の変革に努める特別支援学校教諭の取り組み(3/4)

3 コミュニケーション能力は豊かな人生を送るために欠かせない

3 コミュニケーション能力は豊かな人生を送るために欠かせない

内田:ICTはあくまで教育の手段のひとつであって、そのすべてをICTに依存するのは良くない面があると思います。たとえば、先ほどの心拍の取組に関連しますが、重度心身障害児(者)の支援にライフログを活用することは、とても可能性があることだと思います。しかし、例えばiPadのカメラで撮影して、対象者の感情を自動的に読み取ることができるアプリが誕生したとしても、これを活用することについては慎重にならなければなりません。もしそれによって喋ることができないような人の感情が読み取れるということになると、下手をすると介護する側は対象者を見ないで、そのアプリだけを見るようになり、コミュニケーションの本質が失われるのではないかと危惧しています。さらに教育となると「分かる」ことも重要ですが、その先の「教える」という部分が大切なので、そのスキルを教員は磨かなくてはなりません。

内田先生は、コミュニケーション能力を高めることの大切さについて、どうお考えでしょうか?

コミュニケーションを手助けするためにICTを有効活用したいと語る内田教諭