![]() | ![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
|||
CRLでは8月11日〜13日の3日間、恒例となった「サイエンスキャンプ」
を実施しました。これは“科学離れ”が言われて久しい高校生に、体験学習を通じて
科学技術の重要性や楽しさに親しんでもらおうという目的で、科学技術庁、科学技術
振興事業団そして日本科学技術振興財団が主催となり開催され、今年で3回目になり
ます。今年は関西先端研究センターに場所を移し、北は山形県、南は鹿児島県から男
女計14名の高校生が参加しました。関西先端研究センターの福地センター長から「“
体験する”ことがサイエンスキャンプの一番の目的ですが、人との出会いを大切にし
て、夏休みの貴重な経験にしてください」というあいさつがあり、その後、早速各コ
ースに分かれ、体験学習をスタートしました。 |
||||
|
||||
Aコースには5名が参加し、それぞれにパソコンが割り当てられました
。初日はインターネットの入門編ということで、E-mailを使ってみたり、ネットサー
フィンを楽しみ、2日目からは実際に自分の手でホームページを作りました。自分の
描いた絵を取り込んだりフリー素材を収集したりと、各自の個性やアイデアを盛り込
んだ、楽しいホームページができあがり、世界へ向けてWeb上で公開。翌日には早速
海外から『素晴らしい出来だ』というメールも届きました。 |
||||
|
||||
B-1コースには2名が参加。アナログの通信装置を作って光ファイバ
ーで繋ぎ、信号を送ってその伝播状況を確認しました。この通信装置作成キットの説
明書は英語で書かれており、少し英語の勉強もプラスされながら、装置は無事完成。
送信部から音楽を送り、受信部のスピーカーからその音楽が流れてきたときは歓声が
あがりました。実験は順調に進み、セロハンを使った波長多重光通信まで体験するこ
とができました。 |
||||
|
||||
B-2コースのテーマは“超伝導”。まずはどういった現象で何に使わ
れるのかを詳しく学んだ後、デバイス素子に必要不可欠な薄膜をレーザー蒸着法によ
って作製する「薄膜作製グループ」と、超伝導体の間に薄い絶縁体をはさんだとき、
絶縁体を通して超伝導電流が流れる“ジョセフソン効果”を示す「ジョセフソン接合
の作製グループ」に分かれました。両者とも“クリーンルーム”と呼ばれる無塵室に
入り、初めて聞く言葉に戸惑いながらも、指導にあたった担当者が驚くぐらい、正確
に作業を進めていました。 |
||||
|
||||
|
||||
Cコースはともにバイオがテーマです。C-1コースには3人が参加。生
物の分子モータと呼ばれるタンパク質は、生物の運動の鍵をにぎっています。この分
子モータを細胞から取り出して、その動きを観察しました。光ピンセットを使ったり
最新鋭の光学顕微鏡をのぞいたりしての本格的な観察は、学校では絶対に経験するこ
とのないミクロの世界です。そういった実験装置にも参加者たちは興味津津のようで
した。 |
||||
|
||||
C-2コースでは組み換えDNAをもつ生物材料を用いた実験を行いまし
た。そのため、まず最初に、実験にのぞむ際に守るべき注意事項を、参加者たちに徹
底しました。内容はコンピュータでコントロールされた蛍光顕微鏡を操作し、染色し
た体細胞の分裂や生殖細胞の分裂を観察しました。限られた時間のなかで、なかなか
思うように分裂してくれない細胞もありましたが、初めて見る細胞の動きに、生徒た
ちの目は釘付けでした。 |
||||
実験結果の検討会 3日目の午後は、それぞれのグループが実習した内容を、参加者全員の 前で発表する検討会が行われました。短い時間のなかで学んだことを他人に伝えるの は難しいですが、それぞれのグループが指導した担当者の助けを借りながら、OHPや ビデオなどを使って、詳しく発表しました。1つのグループの発表が終わるたびに、 厳しい質問が飛ぶシーンもありましたが、センター長も感心するほど、レベルの高い 発表が続きました。最後に 今回は細かくコースが分れ、自分の学びたいコースを選択できるという 点では好評でしたが、その反面、内容の濃さ、難易度の設定にバラつきがあり、参加 者の感想もまちまちでした。高校生には少々厳しいキャンプだったかもしれませんが 、暑いなかでのカリキュラムを終えた参加者の顔は一様にホッとしているようでもあ り、誇らし気でもありました。 |
||||
(取材・文 中川 和子) |
||||
![]() | ||||
|
||||
![]() | ||||
![]() ![]() ― 高温超伝導体磁気シールドと超伝導電子波素子を用いて ― ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |