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インドの機関と研究協力に関する覚書に調印

五十嵐 喜良(いがらし きよし) - 総合企画部 国際連携室 室長

NICTは、平成17年8月24 日(水)に、ニューデリー市内のオベロイホテルで、インド通信・IT(情報技術)省傘下の研究機関で あるインド先端コンピューティング開発センター(C-DAC)、インドテレマティク開発センター(C-DOT)、及びインド工科 大学グワハティ校(以下IITG )との間で、麻生太郎総務大臣、ダヤニディ・マラン通信・IT(情報技術)大臣の立会いのもと、 情報通信分野における研究協力に関する覚書に調印しました。

4者は、研究者交流、情報交換、フェローシッププログラムの実施、シンポジウムの開催、共同研究等の実施を通じた相互 協力と親善関係の構築によって、情報通信分野の研究協力体制を確立し実行することに合意したものです。各機関とは、対等と 相互利益の原則に基づき、相互に関心を持つ分野での協力体制を確立し推進していくこととしています。とりわけIITGは、 本調印以前から横須賀無線通信研究センターとの交流があり、地上無線通信技術、衛星通信技術、ユビキタス技術といった、 特定分野での研究協力がすでに進行していました。

調印式後には、松下電器産業の森下洋一会長を団長とする100名規模の経済界のメンバーとインドの主要民間企業のトップと 日印ICTフォーラムが開催され、両国の最新のICT関連ビジネスや研究開発に関する情報交換や人的交流が深められました。


NICTユニバーサル・コミュニケーションシンポジウム開催報告

江本 浩(えもと ひろし) - 情報通信部門 主任研究員

2005年9月8日(木)東京国際フォーラムにおいて、「NICTユニバーサル・コミュニケーション・シンポジウム −図書街 プロジェクトの始動に向けて-」を開催しました。

NICTでは、来るユビキタス社会に向け、人間を中心としたコミュニケーションをめざし「ユニバーサル・コミュニケーション」と いう基本コンセプトに基づき研究開発を進めています。このシンポジウムはその研究開発の一環である「図書街プロジェクト」の 始動に向けて、外部の有識者および関係者から今後の研究の方向性に関してご意見をいただき、また、一般の方々への理解を 促進し、新しい取り組みのアピールを目的として開催されたものです。

シンポジウムでは、このプロジェクトのコンセプターでもある、編集工学研究所所長の松岡正剛氏をはじめ、さまざまな分野の 有識者および関係者から、ご講演やパネルディスカッションを通してご意見をいただきました。来場者は理工系・技術系のみ ならず、文化・芸術関係者を含め約200名を数え、「これまでのNICTにはない斬新かつ積極的な取り組みである」という 感想が出るなど、大変有意義なシンポジウムとなりました。

今後は、プロジェクト推進コンソーシアムを結成し、内外研究者の力を結集して、要素技術からシステム技術までの開発を行い、 一貫したプロジェクトとして推進していきます。