これまで制作されてきたVRの動画と異なる特徴はありますか?
青木:基本的に共通するのは、能動的にコンテンツの中に入り込めるような工夫です。たとえば、場面を体験するだけではなく、自分も実際に発言や行動できるようなものもありますし、選択肢が出てきて、どのような発言や行動をするかによって、次の場面が変わってくるようなものもあります。
発達障害でない人(定型発達)は、経験を重ねるごとに「こういう行動をしたらこうなる」と想像できるようになります。しかし、発達障害の場合、想像することが難しいため、能動的な体験を重ねる訓練をし、自分の選択によって先の未来が変わることを疑似体験してもらうことが重要なのではないかと考えました。

今回は、自分の自己紹介の振る舞いや目線、相手が自己紹介しているときの聞き方などを練習する授業を行いました。

Wi-FiでインターネットとVRゴーグルをつなげて、自己紹介の動画コンテンツを流しています。動画には、自分が自己紹介するパートも設けられています。


一人ひとりの生徒に「ちゃんと自己紹介している人の顔を見ることができていて良かったよ」など、行ったことに対してフィードバックしていきます。ただ、練習するだけではなく、出来たことを褒めることで、生徒の自己肯定感や自信を向上させることを大切にした授業を実施しています。