NICTオープンハウス2017は終了しました。ご来場ありがとうございました。
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11月9日(木)13:30-15:25 会場:4号館2階 大会議室
13:30-14:05
「データ利活用に向けたプライバシー保護技術」
サイバーセキュリティ研究所 セキュリティ基盤研究室 野島 良 研究マネージャー、レ チュウ フォン主任研究員
企業や組織の垣根を越えたデータ利活用の推進は、新たな成長戦略の鍵とされ、プライバシー及びセキュリティの確保は極めて重要な課題となっている。
2017年5月末に施行された改正個人情報保護法で、プライバシーの保護とデータ利活用との両立を可能とするため、匿名加工情報制度が新たに導入された。しかしながら、匿名加工情報の作成に当たっては、いかに再識別のリスクを低減し、データの有用性を保ったまま加工するかが社会実装に向けた課題となっている。
一方、データ利活用時にプライバシーのみならずデータセキュリティを確保するため、暗号化したままでのデータ分析を可能とする技術の研究が進んでいる。本講演では、このようなデータ利活用時のプライバシー保護における課題と最新研究動向について紹介する。
2017年5月末に施行された改正個人情報保護法で、プライバシーの保護とデータ利活用との両立を可能とするため、匿名加工情報制度が新たに導入された。しかしながら、匿名加工情報の作成に当たっては、いかに再識別のリスクを低減し、データの有用性を保ったまま加工するかが社会実装に向けた課題となっている。
一方、データ利活用時にプライバシーのみならずデータセキュリティを確保するため、暗号化したままでのデータ分析を可能とする技術の研究が進んでいる。本講演では、このようなデータ利活用時のプライバシー保護における課題と最新研究動向について紹介する。
14:10-14:45
サイバー脅威の現状と、セキュリティ対策技術の現状
サイバーセキュリティ研究所 サイバーセキュリティ研究室 高橋 健志 研究マネージャー
2016年後半から現在までに我々が経験してきた脅威には様々なものが存在するが、その中でもIoTボットやランサムウェアの脅威は非常に大きなものであった。
NICTではこれまで、大規模な観測網を構築してきており、それを用いた様々な分析技術を構築してきている。
本講演では、その大規模観測網を用いて最近のサイバー脅威を分析する。 また、増加するサイバー脅威に対応するにはセキュリティ対策の自動化が不可欠であり、その自動化技術の研究開発の方向性についても紹介する。
NICTではこれまで、大規模な観測網を構築してきており、それを用いた様々な分析技術を構築してきている。
本講演では、その大規模観測網を用いて最近のサイバー脅威を分析する。 また、増加するサイバー脅威に対応するにはセキュリティ対策の自動化が不可欠であり、その自動化技術の研究開発の方向性についても紹介する。
14:50-15:25
NICT におけるサイバーセキュリティ人材育成への取り組み
ソーシャルイノベーションユニット ナショナルサイバートレーニングセンター サイバートレーニング研究室 衛藤 将史 室長
ナショナルサイバートレーニングセンターが取り組むセキュリティ人材育成事業を紹介する。具体的には、公的機関の職員向けの実践的サイバー防御演習事業 CYDER、2020 年東京オリンピック・パラリンピックの円滑な運営に向けた演習事業サイバーコロッセオ、若手人材育成事業 SecHack365 について紹介する。
11月10日(金)11:00-16:15 会場:4号館2階 大会議室
11:00-11:35
次世代光ファイバ通信技術への展望 ~絶え間なく増大する伝送容量の需要をどう満たせばよいか~
ネットワークシステム研究所 フォトニックネットワークシステム研究室 クラウス ヴェルナー 主任研究員
従来の光ファイバではやがて送信データ量が物理的な限界に達してしまうことが懸念されている。この限界を超える伝送容量の需要を満たす新たな光伝送技術として空間分割多重技術への期待が高まりつつある。そのため、空間分割多重技術の研究開発が世界中で盛んに進められており、革新的な光学素子や伝送技術に関する研究成果の発表が目覚しい。本講演では、光通信技術の歴史を簡単にレビューした後、空間分割多重技術に関して下記3テーマ
- 必要性と役割
- 日本および世界の動向と最新研究成果
- 最初に応用される伝送システム
11:40-12:15
HOPTECH ~ホログラムプリンタによる立体表示から光学素子の開発について~
電磁波研究所 電磁波応用総合研究室 涌波 光喜 主任研究員
講演者らは、光の複素振幅分布をホログラムとして記録可能なホログラムプリンタの研究開発を行っており、記録からホログラムの複製、応用などの周辺技術を総称してHOPTECH(Hologram printing technology)と呼んでいる。
本講演では、HOPTECHの主要技術であるホログラムプリンタの原理を簡単に紹介し、3Dデータを記録した例や光学素子の開発およびその光学素子を利用した例、現在取り組んでいる研究トピックなどを紹介する。
本講演では、HOPTECHの主要技術であるホログラムプリンタの原理を簡単に紹介し、3Dデータを記録した例や光学素子の開発およびその光学素子を利用した例、現在取り組んでいる研究トピックなどを紹介する。
13:00-13:35
5G、その先のモバイル通信に向けたワイヤレスネットワーク技術
ワイヤレスネットワーク総合研究センター ワイヤレスシステム研究室 村上 誉 主任研究員
2020年代前半の実用化を目指し、5Gの技術検討や規格策定が進められている。様々な用途に対応するため、高速大容量、高信頼低遅延、超多数機器間通信といった要件が設定されている。これらの異なるニーズを同時に満たすために、5Gはヘテロジニアスネットワークと呼ばれる、複数の周波数帯、複数の方式により構成され、用途によって使い分けられることが想定されている。
NICTでは、このような無線の多様化に対応した研究開発を進めている。特に、プライべート空間に5Gの基地局を敷設可能とする技術や、通信網の一部を複数の事業者間で共用することで通信効率を改善する技術、複数の通信事業者網を同時に使用することで通信特性を改善する技術といった、通信事業者のネットワークを補完するための技術に注力している。本講演では、これらのNICTにおける5Gの研究開発状況を紹介する。
NICTでは、このような無線の多様化に対応した研究開発を進めている。特に、プライべート空間に5Gの基地局を敷設可能とする技術や、通信網の一部を複数の事業者間で共用することで通信効率を改善する技術、複数の通信事業者網を同時に使用することで通信特性を改善する技術といった、通信事業者のネットワークを補完するための技術に注力している。本講演では、これらのNICTにおける5Gの研究開発状況を紹介する。
13:40-14:15
ASEAN研究機関とNICTのICTバーチャルオーガナイゼーション (ASEAN IVO)
グローバル推進部門 国際研究連携展開室 江本 浩 マネージャー
ASEAN地域内のICT研究開発の面的な発展を推進し、東南アジアでの研究連携においてリーダーシップを発揮するため、NICTが東南アジアと培ってきた研究連携を礎として、域内研究機関・大学等が参加するバーチャルな研究連携組織として、2年前にASEAN IVOを設置。ASEAN地域におけるNICTの国際連携展開など、この2年間の取り組みを紹介すると同時に、民間企業等からの参加を呼び掛ける。
14:20-14:55
超伝導人工原子が可能とすること
未来ICT研究所 フロンティア創造総合研究室 仙場 浩一 上席研究員
物質と光の相互作用を量子1個レベルで操る量子電磁力学は,最初,原子物理学の分野で始まったが,今世紀に入ると,半導体の微細加工技術を援用して作られる超伝導量子ビットのような巨視的量子系(人工原子)を使う 回路量子電磁力学 へと急速な発展を遂げた。特に、超伝導量子ビットは、量子コンピュータへの応用も注目されている。
光との相互作用が原子と比べて桁違いに強くかつ調節可能なため、量子スイッチや、ハイブリッド量子系 、光子と人工原子から成る安定な分子状態 など様々な新しい機能や従来生成できなかった非古典的な状態が実現されている。このように、最新の実験結果まで含めて、超伝導人工原子の可能性について紹介する。
光との相互作用が原子と比べて桁違いに強くかつ調節可能なため、量子スイッチや、ハイブリッド量子系 、光子と人工原子から成る安定な分子状態 など様々な新しい機能や従来生成できなかった非古典的な状態が実現されている。このように、最新の実験結果まで含めて、超伝導人工原子の可能性について紹介する。
15:00-15:35
グラフ理論に基づく健常者と患者の脳ネットワーク研究 ~現状と展望~
脳情報通信融合研究センター 脳情報工学研究室 下川 哲也 主任研究員
高い空間分解能を持つfMRI(機能的磁気共鳴イメージング)による脳機能計測が近年急速に進んでおり、特に脳内のネットワークを推定し、解析する研究が最近のトレンドとなっている。そこで我々の研究グループでは、NICTにおけるこれまでの情報科学、特にグラフ理論の研究蓄積を生かすべく、大阪大学大学院連合小児発達学研究科の橋本亮太准教授のグループとともに、統合失調症患者の脳ネットワーク解析手法の開発と解析の共同研究を進めてきた。本講演では,これまでの脳ネットワーク、特に患者の脳に関する研究の歴史を追いながら、我々の解析手法も含めた最近の研究の紹介を行う。
15:40-16:15
宇宙天気予報の機械学習を用いた技術開発と実利用化へ向けて
電磁波研究所 宇宙環境研究室 西塚 直人 テニュアトラック研究員
NICTは昨年度、電磁波研究所及び先進的音声翻訳研究開発推進センターにおいて、機械学習とビッグデータを用いた予測モデル開発により、宇宙天気予報の精度を格段に上げることに成功した。NICTでは宇宙天気予報を毎日配信しているが、予報精度の向上が長年の課題であった。今回、複数の機械学習の手法を太陽観測データ解析に応用することで、約30万枚の太陽画像を用いた統計的な太陽フレアの予測を可能にした。その結果、従来の人手による5割程度の手法に比べると、8割を超える世界トップクラスの精度まで予測精度を上げることができた。また、太陽フレア発生前に現れる特徴を、統合的に機械学習によるデータ分析から明らかにした。そのことにより、太陽フレアの謎を解く鍵が得られたとともに、従来の一日一回の予報からリアルタイム予報への道が拓けた。現在は、宇宙天気の影響による災害に対してより早期の対策準備ができるように、検証を行いながら実用化を進めている。
なお、講演者は本研究を先導している研究者であり、宇宙天気予報全体や、航空業界での今後の利用義務化といった社会利用の流れの背景も紹介しつつ、最先端の研究紹介を行う予定である。
なお、講演者は本研究を先導している研究者であり、宇宙天気予報全体や、航空業界での今後の利用義務化といった社会利用の流れの背景も紹介しつつ、最先端の研究紹介を行う予定である。