平成11年12月6日から8日にかけて、鹿島宇宙通信センターにおいて1999年度VLBIシンポジウムが開催されました。このシンポジウムは、国内の関係研究者によって組織されているVLBI懇談会が主催し、年1回開催しているシンポジウムであり、当センターが会場となったのは前年に引き続いて2年連続です。シンポジウムでは、首都圏広域地殻変動観測計画の観測局と野辺山宇宙電波観測所(国立天文台)、臼田宇宙空間観測所(文部省宇宙科学研究所)からなる観測網で行われているリアルタイムVLBI技術に焦点が当てられ、これまでの成果と今後の展望とが報告されました。また、電波天文衛星『はるか』とのスペースVLBI観測や国内VLBI観測網(J−Net)による観測の成果が多数報告されるなど、国際的にも優れた日本のVLBI観測技術が研究成果を結実させつつあることが窺われます。総合討論では、相対VLBI技術による高精度な天体の位置計測を目指すVERA(VLBI Exploration of Radio Astrometry)計画がいよいよ本格的に始動しつつあるなかでVLBI観測研究の将来についての議論が行われ、リアルタイムVLBI技術や広帯域化による高感度観測システムの開発に大きな期待が寄せられました。
(鹿島宇宙通信センター宇宙電波応用研究室)
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