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今回の『研究往来』は、再び関西の先端研究センターにやってきました。そして、初めて“室長”にお話をうかがいました。
CRLでは、さまざまな国の人が研究に携わっていますが、今回ご登場いただいた王さんは、CRL初の外国籍をもつ室長さんです。
「最初、なまものはダメでしたけど、今は平気。ただ、納豆はダメ」。
「外国籍の人間でも室長になれるわけだし、私を評価してくれるCRLには感謝しています。(超伝導デバイスの)クリーンルームも整備されてきたし、これからです」。 ところで、王さんの話のなかに“社会的環境”とか“文化の違い”という言葉が何度か出てきました。 「日本の行政はあまり柔軟性がない。中国より社会主義みたいと思うことがあります(笑)。社会習慣でいうと、日本との大きな違いは女性の立場。中国には専業主婦はいないんです。女性も仕事をするのが当たり前。もちろん、(待遇などで)男女間の差はないから。だから、子育ても夫婦ふたりでやるのが当たり前。日本では女性が仕事を続けていくのはむずかしいことが多いですね。私の妻も、今は仕事をしていません。彼女も大学院を出たので、がんばりたかったようですが、私が日本に来てしまったので…。家族には迷惑かけてます(笑)」 その迷惑をかけている家族には、週末にまとめて家庭サービスに努めるとか。 「テニスをしに行ったり、ドライブをしたり、買い物に行ったりですね(笑)」。 大切な家族、16才になるお嬢さんは小学校から日本で教育を受け、現在は公立の高校に通学しています。「娘の生活習慣は日本人と同じです。完璧な関西弁を喋るしね。むしろ、いつか中国に戻ったときが大変かもしれない」。 父親の顔になった王さんはちょっと心配そうです。 「もっとも、すべては“慣れ”だとも思います。日本という外国に来て、私もそれなりに苦労もしましたが、中国とは違う文化を身をもって体験できたことはとても大きな収穫です。研究以外の成果は何かと問われたら、日本でやってこられたのだから、今後どの国に行っても、生活していけるという自信みたいなものがついたことですね。生まれたところは故郷としてありますが、研究をするうえでは、自分の能力を発揮できるところであれば、それはどこの国でもかまわないと思いますね」。 王さんの言葉には“研究には国境がない”という彼の信念のようなものがうかがえました。 |
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(取材・文 中川 和子) | ||||||
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