

NICT中国リサーチセンターでは、NICTが運用・管理する研究開発テストベッドネットワーク「JGN2」を活用した次世代インターネット技術の一つである「IPv6マルチキャスト技術」による映像伝送の実証実験を行っています。これは、より高品質な映像を伝送することはもとより、一般的なネットワーク環境にもIPv6マルチキャスト技術を適用させることを目指しています。今回、これまで行われていない一般家庭への映像配信等について実証実験を行い、IPv6マルチキャスト技術によるサービス提供ができることを確認しましたので、その概要を報告します。また、これまで行った実証実験の成果についても併せて紹介します。 一般家庭の協力による実証実験(2006年10月10日〜10月20日) JGN2を活用して、岡山県が運営する地域情報ネットワーク「岡山情報ハイウェイ」上に流れる「観光案内の映像」(5チャンネル相当)を岡山県鏡野町の地域イントラ、鏡野町FTTHネットワーク(一般家庭用光ファイバー)を経由して、鏡野町の一般家庭と一般家庭と同等の環境を擬似的に用意した仮想一般家庭(PC)に配信しました。その際、実際の番組視聴を想定し、視聴者によるチャンネル切り替え(ザッピング)を擬似的に行い、ネットワークへの負荷等の評価検証を行いました。
これまでに実施したIPv6マルチキャスト技術実証実験例
2006年2月に、札幌大通り公園、沖縄・高知のプロ野球キャンプ地と全国6か所の放送局、シンガポール・タイ・韓国との間を「JGN2」で相互接続し、「さっぽろ雪祭り」の生中継映像とテレビ番組素材の伝送実験を実施しました。これにより、放送事業者等との連携を実証することができました。 今後の展望 これまで実施してきた様々な実証実験を通じて得られたノウハウを生かすとともに、一般家庭用光ネットワーク(FTTH)等の既存のネットワークと連携させ、防災・防犯等、生活面においても有効な地域情報ツールとしても活用できるよう、更なる実証実験を重ね、IPv6マルチキャスト技術が次世代インターネット技術として定着することを目指していきます。 |