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報告

 第2回国際標準化活動若手交流会の報告 研究推進部門 標準化推進グループ 主任研究員 大川 貢(おおかわ みつぐ)

 NICT研究推進部門標準化推進グループは、平成18年9月27日に虎の門パストラルにおいて、第2回国際標準化活動若手交流会を開催しました。
 国際標準の獲得は、我が国のICT技術・産業発展のためには重要なことです。しかし、標準化活動は、継続的に国際会議等に出席して提案や調整を行うという地道な作業を要する上、国際会議で提案を通すには、提案の内容もさることながら、会議の進め方に関する知識、交渉能力などが求められます。
 我が国では、最近、国際会議へのベテランの参加が減少する傾向にあり、その結果これらの知識や交渉能力が十分継承されているとは言い難い状況にあります。また、若手研究者が単独で国際会議に出席する場合も多くなってきており、標準化活動において厳しい状況に直面した際の対応能力を向上させることが緊急の課題となっています。
 こうした若手の標準化活動を支援するため、当グループでは「国際標準化活動若手交流会」を4月に開催し、所属機関の壁を越えた研究者相互間の交流促進に取り組んでいます。
 2回目の今回は、ITU-R(国際電気通信連合 無線通信部門)とIETF(インターネット技術特別調査委員会)といういわば対照的な性格を持つ標準化会議で活躍されている二人の方を講師にお迎えし、御講演いただきました。
 まず、講師の講演に先立ち、上野研究推進部門長から若手の国際標準化活動参加状況の報告と、NICTの標準化活動への取り組み方について紹介がありました。
 続いて、NHKアイテック送信ネットワーク事業部主幹の熊田純二氏から、「HDTVの国際標準化について」と題して、研究開始から約30年を要した、HDTVの標準化における苦闘の歴史が紹介されました。また、KDDI研究所統合コアネットワーク制御グループグループリーダーの大谷朋広氏の講演では、「GMPLSに関する国際標準化活動への取り組み」と題して、ネットワークルーティング技術の標準化に対するIETFでの具体的な取組について紹介されました。
 当日は、定員いっぱいの約80名の出席があり、会場は満席という盛況振りでした。講演会の後には、標準化活動のベテランと若手との交流会(懇親会)を開催し、こちらにも大勢の参加がありました。NICT稲田理事のあいさつから始まり、講演形式では難しい、国際標準化活動の舞台裏などについて情報交換がなされました。
 講演会後のアンケートでは、国際標準化活動を支援する上で役に立ったとの回答を数多く頂くとともに、今後の希望テーマとして、 “国際標準化で必要なスキル向上”、“IEEEでの標準化活動経験”などが挙げられ、今後の活動に期待が寄せられました。当グループでは、今回の講演会のアンケート結果なども参考に、定期的に交流会を開催していく予定です。
標準化活動支援について説明する上野部門長
標準化活動支援について説明する上野部門長
講演会場の様子
講演会場の様子
  若手とベテランの交流も図れた懇親会
若手とベテランの交流も図れた懇親会
 
第2回国際標準化活動若手交流会
日 時:平成18年9月27日
会 場:虎の門パストラル(東京)


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