

新世代ネットワーク研究開発ターゲット
「価値を創造するネットワーク」
もっとつながるネットワーク
新世代ネットワーク研究開発戦略本部では、戦略的に研究開発を進めていくための推進方策を立案しました。それが新世代ネットワーク技術戦略第一版であり、5つの技術戦略と1つのファンダメンタルズ領域を、新世代ネットワークの研究開発ターゲットと定めています。今回はその中で「価値を創造するネットワーク」についてご紹介します。
価値を創造するネットワークは、今までのアプリケーションとユーザを接続するだけだったパス提供から進化し、アプリケーションとネットワークユーザが一体となり、それにセンサーなどの“もの”や人びとの“知識”などが加わり、人びとの生活になくてはならないネットワークとなることを目指します。
例えば、世界中に点在するサービスや知識を高信頼かつリアルタイムに組み合わせ、これまで難しかったリアルタイム自動多言語翻訳が可能になったり、今の放送網並の配信がネットワークを用いて個人により簡単に行われ、それらの情報の結びつきが新たな発見につながるようなメディアサービスが実現したりするでしょう。
2つの技術目標
価値を創造するネットワークは2つの技術目標を立てています。一つはネットワークとアプリケーション/サービスを融合していく技術であるサービス創造ネットワーク技術、もう一つはユーザを中心に据えたメディア配信技術であるメディア創造ネットワーク技術です。
サービス創造ネットワーク技術としては、まずはネットワークサービスを創りやすくするためのモジュール化技術の促進を挙げ、将来の知識社会を目指すべく知識処理関連技術を重点技術として挙げています。
一方メディア創造ネットワーク技術としては、個人発の情報発信がこれからさらに進むことを目指して、有線や無線などの環境によらない情報発信技術や、氾濫する多くの情報から有意義な情報を見つけ出す情報信頼性判定技術、またユーザの状況に応じたメディアサービス生成技術を重点技術としています。
さらに両者に共通する大規模データベース構築技術も重要技術としています。価値を創造するネットワークは、ネットワークをイノベーション創発の場とすべく、エンドユーザにとって使いやすく、また新たなアイデアが産まれやすく、それが容易に実現できるネットワーク基盤となることを目指しています。

Profile

- 宗宮 利夫(そうみや としお)
- 総合企画部
新世代ネットワーク研究開発戦略推進室
専門研究員

- 大槻 一博(おおつき かずひろル)
- 総合企画部
新世代ネットワーク研究開発戦略推進室
専門研究員