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「災害・危機管理ICTシンポジウム2012」開催および「第16回震災対策技術展」出展報告

電磁波計測研究所 企画室 専門推進員 佐藤 晋介 専門推進員 久保 勇樹 室長 石井 守


NICT電磁波計測研究所、ワイヤレスネットワーク研究所、ネットワークセキュリティ研究所および次世代安心・安全ICTフォーラムでは、2012年2月3日(金)にパシフィコ横浜アネックスホールにおいて「災害・危機管理ICTシンポジウム2012-東日本大震災から得た教訓-」を開催しました。次世代安心・安全ICTフォーラムでは、2011年3月11日に発生した東日本大震災において、ICTを用いた技術やサービスで被害を軽減できた事例・できなかった事例を検証しつつ、将来起こり得る災害への備えとなる方策および研究開発の方向を検討し提言をまとめつつあります。今回のシンポジウムではこの提言を軸に、ニーズ側の自治体関係者、シーズ側の研究開発者による講演の後、提言を基にしたパネルディスカッションを行い、今後の震災で必要とされる技術開発について検討しました。

シンポジウムは、フォーラム企画部会長であるNICT熊谷博理事の主催者挨拶で幕を開け、来賓の内閣府総合科学技術会議の奥村直樹議員、総務省研究推進室の杉野勲室長にご挨拶をいただきました。

最初に、福島県川内村の遠藤雄幸村長に「発災から11か月、川内村の現状と課題」と題して基調講演をいただきました。続いて、NICTワイヤレスネットワーク研究所の門脇直人所長、東京大学地震研究所の加藤照之教授、NICTの電磁波計測研究所センシングシステム研究室の浦塚清峰室長、財団法人地域開発研究所の花島誠人主任研究員の講演の後、NICT電磁波研究所の井口俊夫所長をコーディネータとしたパネルディスカッションを行いました。参加者は200名を超える盛況となり、講演・パネルディスカッションに対する会場からの質問・コメントも活発に交わされました。

また、2月2日、3日にパシフィコ横浜においてシンポジウムと同時開催された「第16回震災対策技術展」に出展しました。内容はシンポジウムの講演に連動する形で、超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)を用いた被災地域の通信確保、スマートメータを用いた放射線量計測、GPSブイを用いた津波予測の可能性、航空機搭載高性能合成開口レーダ(Pi-SAR2)による東日本大震災の被害状況の観測、自然災害/不正アクセスから情報資産を守るクラウド・ストレージ技術などの展示を行いました。震災後の関心の高さを反映してか、震災対策技術展への来場者は昨年の約1.5倍の14,000名を超え、NICTブースにも多くの来場がありました。

最後になりますが、今回のシンポジウム開催および震災対策技術展への出展にご協力をいただいた多くの皆様に感謝申し上げます。シンポジウムのプログラムの詳細および講演内容につきましては、http://ictfss.nict.go.jp/yokohama2012/ をご覧下さい。

NICTニュース2011年5月号に関連記事があります。

●基調講演を行う川内村の遠藤雄幸村長 ●基調講演を行う川内村の遠藤雄幸村長

●パネルディスカッションの様子 ●パネルディスカッションの様子


●シンポジウム会場の様子 ●シンポジウム会場の様子

●展示ブースを視察する奥村直樹議員 ●展示ブースを視察する奥村直樹議員

●タイルドディスプレイに表示されたPi-SAR2による観測画像 ●タイルドディスプレイに表示されたPi-SAR2による観測画像


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