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nano tech 2012 第11回 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議 出展報告

●展示ブースの様子
●展示ブースの様子
●ナノ・バイオICTシンポジウムの様子
●ナノ・バイオICTシンポジウムの様子

NICT未来ICT研究所は、2012年2月15日(水)~17日(金)に東京ビッグサイトで開催された世界最大級の先端技術展である「nano tech 2012」(来場者数は約45,000人)に出展しました。

今回は、未来ICT研究所のナノICT研究室有機ナノデバイス研究グループを中心に、バイオICT研究室、脳情報通信研究室に加え、光ネットワーク研究所光通信基盤研究室、社会還元促進部門がナノテク関連の研究内容と技術情報を紹介しました。

展示ブースでは、未来の光通信に資する有機電気光学デバイスの作製から実証へ至る最新の研究紹介、ナノ電解法による低環境負荷型有機デバイス作製や、ナノテクに不可欠な真空環境を手軽に運用できる手法など、分子配列作製技術に関連する研究成果を発表しました。また、バイオテクノロジー分野から情報通信への利用に関する研究を紹介しました。このほか、手のひらサイズの装置を用いて、基板上にナノワイヤを簡単に作製することができる「ナノワイヤ作製キット」を実演展示しました。同作製キットはナノICT研究室の成果を技術移転し岩田硝子工業株式会社による製品化を準備しているものです。

開催初日には、「ナノ・バイオICTシンポジウム~バイオに学ぶ未来ICT型センシングテクノロジー~」を未来ICT研究所主催にて開催し、企業のマネージャーや研究者、大学関係者を中心に62名の参加がありました。本シンポジウムでは、生物が持つインテリジェントなセンシング機能やこれらを利用したセンシングデバイスに注目し、最前線で活躍する研究者から現在の技術トレンドについてご講演いただき、来るべき未来型ICT社会に向けての技術革新について議論しました。法政大学の川岸郁朗教授による基調講演では、大腸菌が備える環境センシング能力の巧みさやそれらを理解し制御するための方法論、デバイス等への応用の可能性などが説明されました。これに続く各講演では、生体感覚機能における分子レベルの反応計測・制御、生物感覚器官の分子マシン応用、脳活動計測との対応付けなど、NICT研究者を含む内外の研究者から最新の研究事例が紹介され、聴講者との間で活発な議論が交わされました。本シンポジウムの開催によって、NICTが目指す未来型ICTセンシングの概念や当該研究領域におけるNICTのビジョンやプレゼンスを示すことができたものと考えます。

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