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NAB Show 2012 出展報告

NICTは、米国の地方ラジオ・民間テレビ局全体を統括する団体「全米放送事業者協会 NAB(The National Association of Broadcasters)」が毎年4月に開催する世界最大の放送機器展覧会“NAB Show 2012”(2012年4月16日~19日)への招待を受け出展しました。将来技術に関する展示を行う「International Research Park」の一角にNICTブースを設置し、「200インチ裸眼立体表示技術」を中心として、先端的な研究開発に関する技術などをデモンストレーションしました。

今年のNAB ショーには約10万人の来場者があり、NICT ブースにも約7,000人が来場されました。連邦通信委員会(FCC)議長のJulius Genachowski 氏、NAB 会長のGordon Smith 氏、IBC(International Broadcasting Convention)議長のPeter Owen 氏、映画監督のDouglas Trumbull 氏など、VIP の来訪もあり、来場者からは好評の声をいただきました。

今回、NICTは、以下の4件を出展しました。

200インチ裸眼立体表示技術(ユニバーサルコミュニケーション研究所)

視域(立体映像が見える範囲)を画面幅とほぼ同じ4メートルまで拡大したフルスペックのシステムとして、初めて一般向けに公開しました。また、新たに開発した自動調整技術を初めて導入し、画面全体で高精度な画素調整を可能としたことにより、画面周辺の解像度が向上し、今までで最良の画質で立体映像の展示ができました。視点数の多さや、コンテンツとして使用した車体の内部を回り込んで見られることなどに、来場者は一様に驚きの声を上げていました。

多感覚インタラクションシステム(ユニバーサルコミュニケーション研究所)

風船のコンテンツで、立体映像、立体音響、力覚、嗅覚の4感覚提示を体験していただきました。香りについては、新たに開発した2種類の香り提示が可能な装置を用いて、割る風船により香りを変えるとともに、頭部伝達関数の技術を用いた立体音響提示により、頭の後ろから音が聞こえるデモを行いました。不思議な体験に多くの方が感動されました。

nicter / NIRVANA(ネットワークセキュリティ研究所)

サイバー攻撃の状況をリアルタイムに表示するデモを行いました。直接放送に関わる技術ではないものの、近年インターネットを使った放送や素材伝送などが盛んになっていることから、ネットワークセキュリティの重要性について再認識していただく有意義な展示となりました。

60GHz帯ミリ波無線LANシステム(ワイヤレスネットワーク研究所)

将来の無線LAN規格として注目を集めるIEEE802.11adに準拠しており、ミリ波では困難とされている見通し外環境においてもフルハイビジョン3D動画や音楽ファイルなどの大容量データを数秒で無線伝送可能とすることから、多くの方に好評を頂きました。また、家庭内の映像配信だけでなく、放送スタジオ内のケーブルレス化を望む方々からテレビカメラへの実装について技術的な質問を受ける場面も見られました。

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