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宇宙天気ユーザーズフォーラム開催報告 電磁波計測研究所 宇宙環境インフォマティクス研究室 石井 守

2013年2月26日にNICT本部研究本館4階国際会議室において、宇宙天気ユーザーズフォーラムを開催しました。参加者は官公庁、大学および研究機関、航空関係者および衛星運用関係者を中心に90名を超え、ほぼ満席となる盛況でした。

熊谷博NICT理事の挨拶で幕を開けたフォーラムは2部構成となっており、第1部では、現在の宇宙天気の概況の説明およびNICTの行う宇宙天気の取り組みについて、石井守NICT宇宙環境インフォマティクス研究室長が講演を行いました。第2部では、宇宙天気関連の近年のトピックスについて、人工衛星に対する宇宙天気の影響として九州工業大学の趙孟佑教授、近年導入が進められている測位衛星を用いた航空航法に対する宇宙天気の影響について電子航法研究所の斎藤享氏、また太陽活動が活発な時に流れる巨大地電流の影響が変電所などに与える影響について気象庁地磁気観測所の源泰拓氏にご講演いただきました。

講演後の総合討論では参加者から活発な質問・コメントをいただきました。特に航空関係では、近年GPSをはじめとする衛星測位情報の航空航法への利用が進んでいますが、電離圏の変動がその誤差の大きな原因となっていることから、宇宙天気情報の重要性がICAO(国際民間航空機関)においても検討されており、本フォーラムにおいても活発な質疑が交わされました。また、これまでわが国ではあまり影響がないとされていた地電流の電力施設への影響についても、今後の研究の進展によっては再検討が必要であるとの結果に多くの聴衆が強い関心を示していました。

フォーラム終了後には、NICTで宇宙天気予報会議を行っている予報室等の見学会を開催し、30名以上の方が参加されました。参加者の多くが日頃から宇宙天気予報情報を電子メールなどで受け取っていることから、「実際に予報を行っている現場を見ることができて良かった」という声を多くいただきました。また、参加者のアンケートでは、それぞれの講演について「分かりやすかった」、「十分理解できた」という回答とともに具体的な感想やコメントをいただくことができ、NICTの宇宙天気予報に対する関心の高さと期待を知るものとなりました。また、NICTの提供している宇宙天気情報についても、実利用の例をご教示いただくとともに、多くのご要望をもいただきましたので、今後の改善に生かしていきたいと思います。

講演の模様
講演の模様

宇宙天気予報室見学の模様
宇宙天気予報室見学の模様

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