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大容量通信の新しい原理として期待される超加法的量子符号化利得を世界で初めて実証

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2003年5月26日

将来の大容量通信の新しい原理として期待される超加法的量子符号化利得を世界で初めて実証しました。この原理は、伝送に使う搬送波の信号パワーや帯域を2倍に増やした時に、伝送できる情報量が2倍以上に増えるという原理です。特に、光子や電子レベルの微弱な信号を扱う領域で顕著になる量子力学的効果で、従来の情報理論の範疇ではありえない新しい効果です。今回、光子の偏光と空間的光路を使って変調した信号を送り、受信過程において偏光と光路の間で適切な量子もつれを形成させながら復号する事によって、光路の数を2倍に増やしたときに2倍以上の情報量が伝送されることを実証しました。この成果は、微弱信号検出や大容量通信を実現する際、従来の技術限界を打破する新しい原理を示すものです。
本研究は、総務省「量子情報通信技術の研究開発プロジェクト」及び科学技術振興事業団CREST中村プロジェクトの一環として実施されたものです。

発表論文
Physical Review Letters 90, 167906 (2003)
関連報道
日経産業新聞2003年5月22日先端技術欄
日経新聞2003年5月26日科学欄