1

前号 | 次号 | NICTホームページ


フランス ソフィア・アンティポリスでのシンポジウム開催報告

赤阪晋介 (あかさか しんすけ) - 総合企画部 企画戦略室 マネージャ

NICTでは、ヨーロッパにおいて広くNICTの活動を紹介し、日欧間の研究開発協力及び産学官の研究開発連携を推進すべく、 11月18日にフランスのソフィア・アンティポリス・サイエンスパークにおいてシンポジウムを開催しました。

フランス・ニース市に所在するソフィア・アンティポリス・サイエンスパークは、情報通信技術(ICT)分野を中心に 約1,200の企業等が研究拠点を構え、26,000名を超える関係者が活動を展開するなどヨーロッパ有数のサイエンスパークで あり、我が国のYRPともMOUを締結しています。このシンポジウムは、同地において、これまで日立製作所及びEurecom (フランスにおけるICT分野を専門とする大学院大学)を中心に毎年開催され、今回で8回目を数えるイベントであり、 今回初めてNICTも共催者として参加したものです。

今回のテーマは、"Mobile Communications in Transportation"で、大手自動車メーカー等ICT分野を超えたさまざまな 業種も参加し、参加企業・機関それぞれの取り組みを発表するとともに、高速道路交通システム(ITS)など情報通信技術を 応用した交通の将来像などについて、活発な議論が行われました。 NICTからは、大森執行役が基調講演を行い、NICTの組織や研究開発活動の概要について紹介し、今後のICT分野における 日仏間の連携強化の必要性を呼びかました。次いで無線通信部門の藤瀬シンガポール無線通信ラボラトリー長が技術発表を 行い、ミリ波を利用したITS通信システムの研究開発の取り組みについて紹介しました。また、これら発表内容に合わせた パネル展示も行い、初めて参加したNICTに対して、多くの出席者の関心が寄せられました。

当日は、フランスのICT関連企業も含め約200人の来場者を数え、最新の研究開発動向の発表、活発な質疑応答、 研究開発内容に関するデモンストレーションなどが行われ、盛況のうちに終了しました。なお、来年は情報セキュリティを テーマとする予定です。今後も、NICTパリ事務所を拠点に、フランスのみならずヨーロッパ全域に対してNICTの積極的な紹介、 海外研究機関との連携強化を進めるとともに、情報通信技術分野の研究開発に関する産学官を含めた日欧間の橋渡し役を 担えるよう努めていきたいと思います。

最後に、今回のシンポジウム開催にあたり、ご協力いただいた多くの関係の方々に、この場を借りてお礼申し上げます。