4月16日に行われた情報通信研究機構フェロー称号証書授与式典において、NICTで初めて、増子治信首席研究統括がフェロー称号を授与されました。
増子首席研究統括は、昭和54年に電波研究所入所以来、電波を利用したリモートセンシング技術の研究開発に従事し、世界最高の精度である1.5mの分解能で地表面の高精細画像を取得する航空機搭載合成開口レーダ(SAR)を開発しました。この航空機SARは、その機動性を活かして災害時の被害状況を迅速に把握し関係機関に提供するなど、その社会的・行政的な意義が高く評価されており、このような顕著な功績によって、このたびのフェロー称号授与となりました。
授与式典では、称号授与の趣旨説明の後、熊谷理事から、本開発が世界の航空機・衛星搭載SARの先べんになったことをはじめ、増子首席研究統括のこれまでの顕著な研究業績について紹介されました。引き続き理事長から称号証書授与が行われた後、増子新フェローから挨拶があり、当時トップであったアメリカの性能を越えたいという想いがある一方で、少ない研究予算で大変苦労した話や、当時導入した航空機が観測用航空機の草分けとなり、我が国の環境計測等に大活躍した話など、研究開発の軌跡が披露されました。
(総合企画部 企画戦略室 プランニングマネージャー 加藤 明人)