高齢者の方が使いやすいように意識した点はありますか。
多賀谷:「BOCCO emo」には、エモ語という独自の言語を話す機能を搭載しています。会話型ロボットが日本語だけを話す場合、どうしても無機質な印象を抱く方が少なくないと考えました。工夫しても、人との会話と比べれば無機質な発話になってしまうのは当然です。
そこで、少しユーモアを交えた喜怒哀楽が感じ取れるノンバーバル*な表現を取り入れることで、心理的なハードルを下げられると考え、エモ語を話す設計にしました。エモ語として「ボッコ」や「エモモ」、「にょにょにょ」といった言葉を、ふとした瞬間に話すようになっています。また、人間同士の会話も聞いてエモ語で反応してくれます。
*「言語を使わない」「非言語」という意味で、ノンバーバルコミュニケーションは、言葉以外の手段で行われるコミュニケーション全般を指す