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中田 伸二 | ||||
スペースシャトルの打ち上げなどの際、管制室であわただしく動き回っている管制官の映像がテレビに映ります。私はETS-VIIの実験運用室でも同じような光景が見られるだろうと思っていました。しかし、実際は多くのパソコンに向かい冷静に作業を進めるNASDAのスタッフとCRLのスタッフの姿がそこにはありました。私はあまりにもドラマチックに想像を膨らましていた自分を恥じました。 ETS-VIIについて何も知識の無い筆者は、実験運用室のモニターに映し出される実験風景が宇宙空間で現実に行われているもの、との実感は最初のうちは全く持つ事が出来ませんでした。しかしNASDAのスタッフとCRLのスタッフの会話や、こちらから衛星に送ったコマンドが、つくばから海底ケーブルでアメリカ本土の連邦航空宇宙局(NASA)へ、更にアメリカのデータ中継衛星を経由してETS-VIIに伝えられる事などを教えられるうちに、やはり壮大なプロジェクトが目の前で行われている事を認識しました。 実験は衛星の軌道の都合上深夜から明け方にかけて行われました。そのような時間帯でもCRLスタッフはもちろん、ロボットアームの運用スタッフや衛星のシステムを制御するスタッフ、更に地上局と衛星のネットワークを運用するスタッフなど数多くの人たちの努力に支えられて実験が成り立っている事を知り、非常に貴重な体験をする事が出来ました。 今回の実験では、ロボットアームの操縦者の負担を軽減するために、アームに加わる力の大きさやその動作状況、実験機器の状況等を、音の高低と音声によって把握する技術や、操縦者の視点がどこに向けられているのかのデータ収集も行われました。これらはロボットアームの操作性向上のために活用されるとの事でした。 実験は2日間を通じ4回行われましたが、通算50回目のロボットアームによる実験機器の脱着にも成功し、大きなトラブルも無く無事ETS-VIIでの実験を終了しました。 おわりに、ETS-VIIの企画段階から参加し、実験最後となるコマンドを送った宇宙通信部の鈴木部長から次のようなコメントを頂きました。 「予定の実験項目についてほぼ満足のいく結果を得ました。この間、当初計画していた実験項目を拡充した内容まで行えたのは大変良かったと思います。長期にわたる実験期間中担当者が入れ替わりましたが、それら大勢の方々のおかげで得られた成功だと思います。関係された皆様に感謝いたします。」
(企画部企画課 広報係)
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