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津波から学ぶグローバルな警報と災害復興マネージメント

五十嵐喜良 (いがらし きよし) - 総合企画部 国際連携室室長

2005年2月17日〜19日にかけて、タイ王国ICT省の主催による「第1回国際ICT会議」が、昨年大津波の被害に見舞われた タイ王国のプーケットで開催され、NICTの塩見理事が招待されました。この会議は、ICTコミュニティーが津波などの 災害の復興マネージメントや、グローバルな警報システムに関して共に解決方策を考えるICT専門家の会議であると同時に、 プーケットが国際的なイベントの開催や観光客の受け入れを再開できるほどに復興したことを示すという目的も持った 会議でした。本国際会議は、ICT関係の民間企業がスポンサーとなり開催され、約1,000名が参加する大規模なものと なりました。

2月18日には、タイ王国スラポンICT大臣の歓迎の挨拶で開幕し、ITU-TのMr. Houlin Zao局長、マイクロソフトの会長 Mr. William (Bill) H. Gates (ビデオ出演)などの要人とともに、NICT理事の塩見正が災害対策におけるICTの役割などに ついて基調講演を行いました。塩見理事は、防災の警報、予報と救援のシステム通信についての日本の取り組み、NICTに おける災害監視のためのリモートセンシング技術の開発や災害時の通信技術開発など具体的な研究内容について講演しました。

特に、情報の共有や解析、ネットワークテストベッドとグローバルな協力に関する日本やNICTの取り組みについて言及し、 津波などの災害対策には、コーディネーションと協力体制の確立が特に重要であることを強調しました。発表が身近な 内容であったため、タイの有力紙の記者から注目され、講演後直接取材を受けました。また、ICT関係の特集をしている タイのテレビ局Ch5からは、番組企画制作への協力依頼がありました。一方、会議のセッションは、災害マネージメントの ためのITソリューションおよび緊急通信が議題となり、スポンサー企業の代表者による発表等が行われ、熱心な討論と なりました。