NICTでは、研究開発テストベッドネットワーク「JGNII 」に関するシンポジウムを平成18年1月18日(水)から20日(金)まで、 仙台国際センターにおいて開催しました。本シンポジウムでは、国内外のネットワーク関係の有識者に多数ご参加いただき、 講演、パネルディスカッション、JGNIIを活用した研究活動紹介等、JGNIIを利用して実施する各種実験のデモンストレーションや パネル展示を行いました。
開催初日は、河内理事による開会挨拶の後、総務省の松本技術総括審議官、地元宮城県の三浦副知事から来賓挨拶をいただきました。 続いて仙台応用情報学研究振興財団の野口理事長と総合科学技術会議の柘植議員から、「JGNIIは産学官による研究開発の重要な プラットフォームとすべきであり、関係者一同の一層の奮起に期待する」、などのメッセージをいただきました。
続いて、東京大学の青山教授の講演では、世界初の4K非圧縮映像のIP伝送デモンストレーションを行い、東京と会場の仙台国際 センターをJGNIIで結び、4K映像を非圧縮の状態でIPパケット化し、6Gbpsの伝送速度でライブ中継しました。スクリーンに映し 出された映像は、その立体感で参加者を魅了し、超高速なJGNIIをアピールできました。
2日目の研究発表では、岡山JGNIIリサーチセンターが毎年行なっているIPv6マルチキャストによる「さっぽろ雪まつり」の伝送実験、 そして北九州JGNII リサーチセンターからはアクセス系ネットワーク技術に関する研究と課題などの発表がありました。また、 中国清華大学のJianping Wu教授による北京からの遠隔特別講演が中継されました。続く海外パネルディスカッションでは、海外の 研究者を交えたセッションがセットされ、欧州、米国、中国のテストベッドネットワークの紹介や、JGNIIの国際展開の重要性と 国際的なコラボレーションの必要性について認識を共有しました。
最後のセッションでは、「JGNIIの今後の展開」と題し、河内理事をはじめ、著名な先生方によるパネルディスカッションが展開 され、「JGNII の活動はユビキタスネット社会の実現を見据え、地球規模で、かつ長期的な視野に立った新世代のネットワーク アーキテクチャを意識していく必要がある」、などの議論がなされました。 また、JGNIIを利用した各種実験のデモンストレーション(20ブース)とパネル展示(80プロジェクト)の会場は、本シンポジウムが 研究成果を一同に披露する場でもあったため、多くの見学者が入り大変盛り上がりました。
今回のシンポジウムは、1月18日、19日の2日間でのべ約800名の参加があり、また共催イベントとして20日に開催された電子情報通信 学会(IA、TAI)、情報処理学会(QAI)、ICOIN2006(※1)や JANOG17(※2)などでも多数の参加者を得て、活発な意見交換が行われ盛況 なうちに幕を閉じました。
最後にこのシンポジウム開催にあたり、ご協力をいただいた多くの皆様方に感謝を申し上げます。