

今回の会議では、急速に進展した単一光子制御技術や量子暗号システムについて、欧米の主要機関から報告されたほか、NICT委託研究の一貫で開発された最新の都市圏量子暗号システムの成果報告がNECやNTTからなされました。また、2006年に入って5〜6個の光子を同時に制御する技術がフランス国立科学研究センターやニールス・ボーア研究所(デンマーク)及びNICTで相次いで実証されたことから、これらの実証結果が会議を特徴付ける最新成果として発表され、当該分野が単一光子の制御から巨視的量子を制御する新たな研究フェーズに入ったことを強く印象付けるものとなりました。 そのほかに、総務省とNICTが2001年から推進してきた産学官連携プロジェクトからも多くの成果が報告されました。その研究成果とNICTの総合的研究リソースには多くの研究者が関心を寄せ、見学や共同研究の申込みを多数頂きました。今後、NICT、米国のNIST及びNorthwestern大学、独国のMax Plank研究所及びErlangen大学、欧州宇宙機構、中国科学技術大学など当該分野における主要機関の最先端技術を結集し、JGN2を用いた量子暗号フィールド実証や量子信号処理、宇宙量子通信など、NICTの研究リソースを使って初めて可能となる国際的産学官連携プロジェクトを推進していく予定です。 量子情報通信分野が大きな飛躍を迎える転換期にNICTがQCMCを主催できた意義は大きく、21世紀後半の情報通信ネットワークのイノベーションに向けてNICTが担うべき責務の重さを実感した会議でもありました。 本会議開催にあたり、ご尽力いただいた関係者の皆様に深く感謝いたします。 |
|||||||||||||
|
|||||||||||||
第8回量子通信国際会議(QCMC2006) 日 時:平成18年11月29日〜12月3日 会 場:つくば国際会議場(茨城県) |