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報告

 「生体電磁環境国際シンポジウム 〜電波の安全性に関する国際ガイドライン〜」開催報告電磁波計測研究センター EMCグループ 研究マネージャー 渡辺  聡一(わたなべ そういち)

 近年、携帯電話や電子タグ等の電波を利用した機器が身の周りに増えています。これらの無線機器からの電波が人々の健康に影響を及ぼすことがないレベルを定めた電波防護ガイドラインが世界各国で作られています。我が国を含む多くのガイドラインは、世界各国の専門家により科学的な知見に基づいて策定され、世界保健機関(World Health Organization:WHO)の推薦を受けている国際非電離放射線防護委員会(International Commission on Non-Ionizing Radiation Protection:以下、ICNIRP)のガイドラインがベースとなっています。
 今回、このICNIRPと協力し、近年関心が高まっている電波の健康影響に関する世界の、そしてNICTの取り組みについて、“一般の人々に分かりやすく”説明することを目的にした標題のシンポジウムを平成18年11月8日、都内千代田区の全国都市会館大ホールにおいて開催しました。当日は国内外より当研究分野の第一線で活躍する専門家が集まり、多数のプレゼンテーションが行われました。
 NICT松島理事及び総務省総合通信基盤局河内電波部長のあいさつに続き、ICNIRP委員長等による電波の安全性に関する国際ガイドラインの解説が行われ、その後ICNIRP、WHO、NICT等関係者によるパネルディスカッションを行いました。中でも電磁環境の専門家パネリストの中で、主婦連副会長の山根香織氏の「一般消費者の立場から行政・専門家への提言」と題したプレゼンテーションは新鮮なインパクトを会場に与えたようで、聴講者や海外からの講演者から好評を博しました。
 NICTは、電波の安全性に関する研究を電波の環境問題(EMC)の課題の一つとして推進しています。特に、高精度な電波ばく露量評価技術を基に、電波防護ガイドラインへの適合性に関する標準的な評価方法の検討や、医学・生物実験用ばく露装置の開発等を行っています。今後、電波の利用形態は、より複雑化していくことが予想され、これらに適切に対応するため、ばく露量評価技術の改良を更に進めていきます。
 本シンポジウムの開催に当たり、総務省電波環境課及びICNIRP委員である多氣昌生 首都大学東京 教授(NICT招へい専門員)、ご協力いただいた関係各位に厚く御礼申し上げます。
会場の様子
会場の様子
  主婦連副会長 山根香織氏の講演
主婦連副会長 山根香織氏の講演
パネルディスカッションの様子Dr. Vecchia (ICNIRP議長:中央)
パネルディスカッションの様子
Dr. Vecchia (ICNIRP議長:中央)
 
生体電磁環境国際シンポジウム
〜電波の安全性に関する国際ガイドライン〜

日 時:平成18年11月8日
会 場:全国都市会館大ホール(東京・千代田区)


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