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ヴィジット 人類の安心と安全を守る“宇宙天気予報センター”
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リポート3 技術移転に向けて 〜見えない電波を見る技術〜
報告

 技術移転に向けて 〜見えない電波を見る技術〜研究推進部門 知財推進グループ 主幹 澤田 史武(さわだ ふみたけ)

 NICTの研究開発は、ハイテクばかりが中心で、学術的なものや一般企業の仕事とは無縁と思われるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。最近のトピックスを挙げれば、「マイクロ波電界分布の瞬時撮影技術」(1月29日付プレスリリース)です。この技術は、マイクロ波の電界分布を測定する場合、これまで点として見てきた電波を面で捉えることができ、電子機器、回路基盤、電子素子などから放射される電波(電界分布)を簡易な装置で検出し、目で見えるように映像として表示できるものです。もちろん、以前からこうしたニーズはありましたが、検出するための仕組みが複雑であったり、測定のために長時間を要していました。そこで、放射されている電磁界の情報を光で映し出し、多数点での測定を並列処理する光学系等を開発しました。電波を映像として見ることができるものです。
 電波(電界分布)が見えるようになれば、家電製品等からの電波漏れ確認や、製造過程でのICチップや電子回路基板の動作異常箇所の発見が容易に可能となり、出荷検査や試作時の設計への反映等を素早く行うことが可能となります。特に最近の電子回路基板については、装置の小型化が進み、限られたスペースの中に電子回路を組み込む設計が必要となったため、少しの雑音でも、動作不安定に陥ることがあります。このような悩みを抱えているのは、実は製造現場を持つ中小企業が多いと考えています。
 NICTでは、このほかにも中小企業向け技術として、プリント基板の非破壊検査技術、低雑音技術や電磁波による情報漏えい対策技術、あるいは、これらを組み合わせた技術移転活動を行っています。知的財産グループは、NICTの技術に興味を持つ民間企業に技術移転すべく、展示会への出展、個別企業への持込宣伝などを行っています。関心をお持ちの方はどうぞお気軽に下記までお問い合わせください。

研究推進部門 知財推進グループ 
澤田 ip1@ml.nict.go.jp
基板上の電波が見えた!
基板上の電波が見えた!
装置概要
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