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「うるう秒」のお知らせ

平成18年1月1日、日本時間9時直前にうるう秒が挿入され、1月1日は1日の長さが1秒長くなります。1999年1月1日以来7年ぶりの ことです。

今から約50年前までは、時間や時刻は、地球の回転に基づく天文時が使われていましたが、科学技術の進歩に 応じた高精度な時刻が必要になり、現在では非常に正確な原子時計をもとに決められています。しかし、地球の自転速度が 不規則なため、原子時と天文時にずれが生じてしまいます。そこで、1秒の刻みは原子時を基にしながら、天文時と±0.9秒 以内になるように、1秒のステップで調整しながら、ほぼ天文時に近い原子時が生活の時刻として使われています。 この原子時のことを協定世界時(UTC)と呼び、またこの調整(挿入あるいは削除)する"1秒"をうるう秒と呼んでいます。

1958年から刻んでいる国際原子時(TAI)とUTCとの差は現在32秒になっており、うるう秒の制度が1958年にスタートして以来、 地球の自転が32秒遅くなってきたことを意味します。地球の自転速度は、潮汐摩擦や地球環境、地球内部の状態によって 変化します。したがって、地球の自転を正確に観測し、監視しながら必要に応じて、世界同時にうるう秒調整行われています。 日本の場合は2006年1月1日午前8時59分59秒のあとに1秒挿入し8時59分60秒、そして9時00分00秒と続きます。

うるう秒挿入の時にのみ、普段目にすることのない"60秒"という時刻が作り出されます。電波時計の基準となる標準電波 (JJY)、放送局に時刻を提供しているアナログ電話回線を利用したテレホンJJYサービス、インターネットによる時刻 合わせを行うNTPサービスなどは、うるう秒を挿入し、正しい時刻をお知らせします。なお、多くの電波時計では次の 自動受信が行われるまで1秒ずれた状態になります。9時過ぎに手動で強制受信をしていただければ、うるう秒が挿入された 正確な時刻に合わせることができます。

社会や市民生活に混乱や問題が生じないように事前周知や問い合わせ対応を行っています。 うるう秒調整に関するご質問等がありましたら、日本標準時グループまでお問い合わせください。

【参考URL】http://jjy.nict.go.jp/