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黒岩 博司 (くろいわ ひろし) - 総務部 研究環境整備室 室長

2005年11月30 日マイドームおおさか(大阪市)において、NICTが発足して4回目の研究発表会を開催しました。 今回は、「安全・安心のためのICT」をテーマに、情報セキュリティ、EMC(電磁環境)、防災関連技術に関する計12件の 研究成果発表と、災害と情報通信をテーマにしたパネルディスカッション、そして成果展示を内容とするものでした。

発表会は、まず塩見理事からNICTにおける「安全・安心のためのICT」に関わる研究への取り組みと次期中期計画への展望を 述べた開会挨拶で始まり、次に近畿総合通信局の大寺廣幸局長から来賓挨拶があり、この研究発表会を契機として関西地域の 産官学とNICTとの連携が一層深まることへの期待が述べられました。続いて、奈良先端科学技術大学の山口英教授から 安全・安心のためのICTに関する研究開発の重要性とNICTの研究活動への期待をこめたビデオメッセージが紹介されました。

研究発表では、午前に情報セキュリティユニットから6件、午後にEMCユニットから4件、防災関連技術の2件の発表が行われました。 研究発表に引き続いて行われたパネルディスカッションは、「大災害時代の通信の役割と注文」と題してノンフィクション作家の 山根一眞氏をコーディネーターとして、5人のパネリストを交えて行われました。災害が起こった場合の情報伝達の在り方や 災害対策のための観測の重要性について、福井県の水害や有珠山の火山災害の現場経験を踏まえた議論がなされ、 情報の迅速な伝達と多くの情報の中から正しい情報を選ぶ判断の重要性が指摘されました。

発表会場に併設した展示会場では、発表会で報告した研究成果に関するものなど28件の展示が行われました。パネルや デモンストレーションによる説明に対して、多くの来場者が熱心に質問され、またマスコミ取材もありました。参加者からは NICTの研究活動に興味が持てた、参考になったなどのコメントを多数いただきました。一方、発表会の運営に対する注文も いただいており、今後に活かしたいと考えています。

ご来場いただきました皆様にお礼申し上げるとともに、後援いただきました総務省近畿総合通信局、阪神淡路大震災10周年記念 事業推進会議のご支援に感謝します。