QRコードで乗車位置を正確に把握。障がい者サポートの未来を切り開く「バリアフリー連絡アプリケーション」(1/4)

1.「バリアフリー連絡アプリケーション」開発の背景と課題

「バリアフリー連絡アプリケーション」(以下、「アプリ」)の開発に至ったきっかけを教えてください。

 佐々木:弊社が最優先に掲げているのは「お客さまへの安全・安定輸送の確保」です。駅では日々、視覚障がいのある方をはじめとした多様なお客さまへのサポートが行われていますが、従来は駅係員が事前に正確な乗車位置を把握するのが難しく、連携や案内に課題がありました。 アプリ開発前の連絡手段は電話だったため、言い間違いや聞き違い、記憶違いなどによってお客さまの乗車位置の誤認や、大幅な遅延・トラブル時の現場の混乱、お客さま自身も乗車位置や電車を間違えるケースもありました。焦りによる駅係員間の意思疎通の不備もエラーの要因になっており、完全にヒューマンエラーをなくすことは難しいものの、「お客さまの電車の乗り降りを支援する業務をより正確・円滑に実施したい」という現場の声から、アプリの開発に着手しました

アプリの開発にはどのくらいの期間を要しましたか。

 佐々木:構想を検討し始めたのは2015年度からです。そこからアプリの開発、駅係員へのレクチャー、トライアル期間などを経て、2017年に本格運用を開始しました。2016年にはアプリの開発は完了していましたが、現場へのレクチャーを1年ほどかけて行いました。今回のアプリ開発はヒューマンエラーを防止し、お客さまへのご案内をより確実に行うことが目的だったため、あえてトライアル期間を長めにとるよう心がけました。その甲斐もあり、運用開始直後から特段大きなトラブルも発生せず今日を迎えています。-アプリの開発にあたり、特に重視したポイントやコンセプトは何ですか。

佐々木:私たちは常に「お客さまへの安全・安定輸送の確保」を最優先に考えなくてはなりません。なぜなら、お客さまにご迷惑をおかけすることが安全面のリスクにつながる可能性があるからです。

そのため、お客さまに不安や不便を与えないことを念頭に置きつつ、駅係員同士が確実に情報を共有できる仕組みが不可欠だと考えました。エラーを防ぎ、駅係員同士が円滑に連携できるようにしたい。ここが、私たちが最も重視したポイントです。そして、一日でも早く現場で本格的に活用できるよう、導入に向けて取り組みを進めました。