QRコードで乗車位置を正確に把握。障がい者サポートの未来を切り開く「バリアフリー連絡アプリケーション」(4/4)

4.バリアフリー対応の未来に向けたICT技術の活用と今後の展望

バリアフリー対応の未来に向けて、アプリ化などのICT技術の導入はますます必要になるものと思います。御社における今後の展望を教えてください。

 森山:現在は、障がいをお持ちのお客さまの乗り降りのサポートやご案内にアプリを活用しています。今後は「事前予約システム」のアプリ連携が可能となることを目指しています。これは、お客さまに乗車予定の電車や時間を事前に登録いただく仕組みです。障がいをお持ちの方の中には「早めに駅に行って駅係員の方に頼まないと迷惑をかけてしまう」と気を遣われる方も少なくありません。また、バリアフリールートは限られているため移動に時間がかかることもあります。弊社としても、事前にご利用時間がわかれば準備や引き継ぎをスムーズに行えます。

この「事前予約システム」と既存のアプリを連携すれば、お客さまの外出機会の拡大や移動の利便性向上につながると考えています。ただし、実装にはまだ課題があります。現在のアプリは自社線内の運行状況には対応していますが、他社線での運行情報は連携できていません。調整は大きな壁になりますが、お客さまや駅係員双方にとってメリットが大きい仕組みであるため、東京メトロとも課題を共有しながら、粘り強く実現を目指していきたいと思います。

佐々木:現在はお客さまに改札窓口に来ていただき、駅係員がホームまでご案内するといった手順ですが、「事前予約システム」が実現すれば改札でお待ちいただく必要がなくなります。将来的には、この仕組みが他社にも広がり、相互連携できるようになってほしいと考えています。特に首都圏では相互直通運転が増えており、連携が進めばお客さまの利便性は飛躍的に高まります。こうした連携の拡大こそ、私たちが目指す未来です。

 

取材協力:東急電鉄株式会社

取材日:2025年8月