大学発スタートアップが研究成果を商品化。デフリンピックで実証実験、ウェアラブル触覚デバイス「Hapbeat(ハップビート)」開発秘話(1/4)

1.学術研究を社会実装へ導く、東京工業大学発スタートアップの原点

貴社は2017年創業の東京工業大学発スタートアップと伺っています。起業に至ったきっかけや経緯を教えてください。

 私が起業したのは、2017年の修士課程2年次です。これまで取り組んできた研究成果を商品化し、世の中に届けたいと考えたことがきっかけでした。研究テーマは「張力式振動生成機構*1を用いた装着型触覚デバイス」です。
研究成果が学術的に評価されていても、一般にはほとんど知られていないものは数多く存在しています。私が取り組んでいた研究も、そのままでは社会に認知されないまま埋もれてしまうという危機感があり、「何かの形で世に出したい」という動機から起業をしました。現在、当社では複数の商品を開発していますが、商品化そのものがゴールではありません。あくまで、触覚技術の普及のための一つの手段として位置づけています。

*1モーターの回転運動を利用して、身体に接する帯(ひもや布)を高速で変位させ、その「張力」の変化によって振動を発生させる仕組み